戦闘vsミノタウロスの話1
雷光が駆け抜ける。シーリアの放った紫電は真っ直ぐに『ミノタウロス』の顔面を狙う。が『ミノタウロス』は1つ吼えると地面に腕を突き刺し抉りとった。
それを盾に雷撃を防ぐ。
「ちっ!はぁぁ!」
舌打ちをして『アーキノス』を強く握った。大地を蹴り構える。
「たぁぁぁ!」
渾身の一撃を放つ。が強靭な『ミノタウロス』の腕は大斧の攻撃では薄皮1枚切り裂くだけだった。
「なっ?!クっ!」
驚愕も束の間、『ミノタウロス』のぶん殴りを『アーキノス』で受け止める。腕に衝撃が走った。シーリアの体重ではこの凄まじい衝撃に耐えきれず二メートルは吹き飛ばされてしまった。
背中を打ち付け苦悶の声をあげる。
゛無事か、マスター?゛
「・・・っ、えぇ。あいつ、普通の『ミノタウロス』じゃないわ。彼処まで堅いなんて。」
゛そのようだ。だが私達は解析系の魔術はからっきしだがね。゛
「頼める?」
゛マスターの命とあらば答えねばなるまい?゛
『アーキノス』がぼんやりと光る。すると『アーキノス』と『ミノタウロス』の前に魔方陣が出現した。 「カード36 【解析ーアナライズー】」
カードホルダーからカードが飛び出しリアの網膜に『ミノタウロス』の情報が刻まれていく。
「『ミノタウロス・デミ』?亜種ね!・・・くっ後はぼやけてて見えない。」
゛やはりか。もっと精進しなければな。゛
「わかってる!」
『ミノタウロス』の攻撃を避けながら叫ぶ。
「カード12!」
シーリアは『アーキノス』を上に放り投げた。『ミノタウロス』の拳が迫る。それをジャンプで避けてその腕を踏み台に更に高く跳躍した。
空中で『アーキノス』を掴み落ちていく。
「『天より堕ちる落雷よ
我が力となり砕け!』
【雷砕き】!」
兜割りの要領で脳天に叩き込む。シーリアは勝利を確信した。
「あっ?!」
が現実は残酷だ。シーリアの最強の一撃はしかして『ミノタウロス・デミ』には届かない。
「そんな!」
゛万事休すか!゛
『ミノタウロス・デミ』の拳が再び迫る。魔力を殆ど使い果たしたシーリアは重い体を無理矢理動かしてそれを受け止める。
体が大きく吹き飛ばされついに動けなくなった。