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始まりの話
ー夢を見た。
1年前からよく見る夢。どんな意味があるのかはわからないけど何処か懐かしい感じが僕の心にあった。
僕はそれを体験したことはないのにー
「ん。」
僕はベッドから降りて自室を出た。僕は今、1人暮らしをしている。親はー知らない。顔も思い出せない。僕を育ててくれたのは親戚らしい。とても優しい人だけどちょっとだけユニークな人でもある。その人は世界をまたにかける仕事をしているらしい。内容は教えてくれないが。学校には行ってないけど一応、勉強はしてる。どういうわけかこの家の地下には大量の本が図書館の如く貯蔵されてるから。
僕は幼い頃の記憶が一切ない。というよりはあの人に拾われるまでの間の記憶がない。
どうやら僕は真夜中に起きたらしい。玄関を開けて見てみると今日は満月のようだ。綺麗な景色を見ているとー
紫の閃光が見えた。この町の近くの丘だ。
「・・・。」
僕は好奇心に押され閃光が未だに残っている丘を目指して歩き出した。思えばこの時に僕は気づいていたのかも知れない。僕の運命にー