Lesson15 図書館実習
図書館の静けさが心地よい。
――今までは、そう感じていた。
でも、保育所の実習を終えた私には、あまりにも静かに感じた。
児童書のコーナーを覗くと、
小さな子が、お母さんに絵本を読んで貰っている。
数日前のことなのに、なんだか懐かしい気持ちになった。
ひと通り、フロアの説明をしてもらい、作業に入る。
「返ってきた本を、浮遊魔法を使い、著者のあいうえお順に並べてください。」
さらっと言われたけど、それは上級魔法だ。
「……すみません、まだ習ってないです。」
戸惑いながら、私は正直に伝えた。
「――習っていない、のですね。
しかし、司書を目指しているのでしたら、この魔法は使えるようになっていて当然ですよ。」
うっ、と私は言葉に詰まった。
司書を目指しているわけではないです、なんて言えるはずもない。
仕方ないですね、と、呆れた調子で言われてしまい、違う作業をすることになった。
――情けない。
でも、知らないものはどうにもできない。
そして、万事がこの調子で、
できて当然、と思って言われた魔法が、何もできなかった。
毎日、簡単な作業をなんとかこなすのが精一杯の私。
――結局、できない魔法が多すぎる、という事実を思い知って、実習が終わってしまった。
あまりの不甲斐なさに、好きだった図書館が、嫌いになってしまいそうだった。
しばらく、ここに来たくないかも……。
静かな場所、というだけの選び方じゃだめなんだ。
……もう一度、ちゃんと考え直さないといけない。




