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Lesson6 何もできない


うわーーん!!


子どもたちの泣き声が、部屋中に響いていた。


「お家にかえりたいー」


「おなかすいたー」


「外で遊びたいー」


あちこちから声が飛んできて、どうすればいいのか、まるでわからない。

私は、ただただその場に立ち尽くしていた。


——ここは、ひまわり保育所。


まだ4月。


慣れない環境に、子どもたちは大混乱だった。


泣いている子、走り回る子、怒っている子。


……私は、子どもと接したことがほとんどない。


本当に、何もできない。


困り果てていると、先生が声をかけてきた。


「ミーナさん、本を読んであげて」


「は、はい」


差し出された絵本を受け取り、私はぎこちなく開いた。


「むかし、むかしあるところに……」


声が震える。


うまく読めない。


「きこえなーい」

「お絵かきのほうがいいー」


子どもたちは、すぐにどこかへ行ってしまった。


……やっぱり、無理だ。


ここにいる資格なんて、ないのかもしれない。


絵本を持ったまま、立ち尽くしていると——


「ちょっと」


声をかけられて、振り向く。


同じく実習に来ている子だった。


「私たち、ちゃんとやってるんだけど」


その一言に、ドンっと、頭に衝撃を受けた。


「ぼーっとされると困るんだけど。やる気ないなら、来ないでよ」


何も言い返せなかった。


——何もできないまま、1日目は終わってしまった。

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