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追放される無自覚冒険者の幸せ

作者: 山田 勝
掲載日:2026/03/15

「アレックス、お前は使えないから、追放だ!」



 俺はアレックス、34のおっさん冒険者だ。

 今日、酒場で追放宣言された三流剣士だ。

 そして、スキルは剣士とは全く関係のない『追放』だ。意味が分からない。


「ゲオス、そうは言ってもお前の指示は『そこで立っていろ!』だろ?」


 奴は俺が前に出ようとすると、そこで立っているろ 指示を出すまで待機と言う。


「はあ、リーダーと呼べよ」

「追放になったら年下のガキだ!」


 ガチャカッちゃンと食器が飛ぶ。


 ここですがれば残れたかも知れない。下らないブライドだと分かっている。


 喧嘩して別れた。


 俺だって始めから冒険者ではない。家を追い出されて、商会を追い出されて、冒険者になったのだ。



「スキル、追放だから仕方ないか・・・」


 メンバー募集の張り紙を見るが、皆、10代、若い者募集だ・・・・・



「ねえ。アレックスさんよ。話しかけて見ては?」

「はあ?追放か・・・まあ、丁度、いいかも・・」


 何やら、女の子のパーティが俺に話しかけた。

 魔女帽子を被った女の子と、斧を担いだ赤毛の女だ。


「ねえ。アレックスさん。臨時のパーティを組まない。条件3人以上だから・・・」

「何故、俺?」

「クエスト終わったら、ね。追放するから」


 何だそりゃ・・・・



 無事、クエストは終わった。


「じゃあ、アレックスさん。追放ね」

「はい、分け前もらったから良いよ」


「でも、簡単に終わったわ」

「そうか?」


 魔物はいつも逃げているイメージがある。

 魔道師と女斧使いがいれば、アナグマキングくらい簡単だろう。


 それから、俺は臨時のパーティを組むことで生計を立てることにした。


 どこの所属にもなれない。


 今日はソロで薬草探しだ。森の中を歩いていると、絹を切り裂く悲鳴が聞こえた。




【ど、どなたか?助けて下さいませ!】


 令嬢が盗賊に追われている。あれは・・賞金首か?

 令嬢の馬車には矢が刺さった御者の死体が乗っている・・・



「ヒヒヒヒ、女だ。ヤッホー」

「今夜はお楽しみだー!」


 どーしよ。と思っていたら、


「やあ、やあ、我こそは、ゲオス!将来の勇者だ!」



 ゲオスが出てきた・・・・


 すると、盗賊達は、キョトンとして逃げ去った。

 あいつ、そんなに強かったけ。


「まあ、有難うございます」

「いえ、正義の冒険者として当然のことをしたまでです」


 令嬢を助けてめでたしめでたし。となったが、俺はめでたくはない。


 ゲオスは俺がただ立っていたままと噂を吹聴したのだ。

 まあ、そうだ。ただ立っていただけだ。



 ヒソヒソヒソ~


「あいつ、令嬢を助けなかったのだって」

「ヒドいな。俺だったら、独りでも助けるぞ!」


 噂話が広まり。俺は更に孤立した。


「ごめん。さすがに、組めないわ」


「そうか・・・」


 薬草探しだけになった。稼ぎが少ない。

 パンすら食べられなくなった。

 俺はギルド周辺をさまよう・・・・コジキだ。


「ギルマス、何か、仕事を下さい!お願いします!」

 もう、プライドもなくなった。


「アレックス、もう引き際じゃないか?でも、令嬢のクエストがあるぞ。どうせ無理だろうけども、説明会に行って見るか?」


「行く・・」



 あのゲオスが助けた令嬢のクエストがあるそうだ。

 この為に令嬢はこの地に来たそうだ。

 クエストの内容は・・・


「聖なる追放人を探しておりますわ。この地は伝説の楽園クシャークのある地との伝承ですわ・・」


 聖なる追放人?何だそりゃ。女神教典は詳しくない。



「私は第三王女ベルダでございます。聖なる追放人を夫にするために来ました。私が女王になるために課せられた条件ですわ」


 ゲオスが側にいる。すっかり護衛騎士気取りだ。



「いいか、野郎ども、片っ端らに探せ!」


「でもよ。ゲオス。どうやって・・」


「テキストがあるぜ!全員に配布だ!文字の読めない奴は読める奴に聞け!」



 俺は1人で森に入った。



 テキストを読む。聖なる追放人?

 楽園クシャークには悪人はいない。善人ばかりだ。しかし、罪を犯す者がいる。

 その者は楽園を追放され・・・・



 追放か。俺も5歳の頃、追放されたっけ・・・・・




 ☆回想


『グスン、グスン・・・アレックス、追放しなければなりません・・・人の身で女神様の羽に触りました・・』


「母上・・・」



 大きな家だった。大勢住んでいたな・・・・




 ・・・・・・・・・・・・・・



 クシャークは結界に覆われ凡人では行く事が出来ない。

 しかし、29年前に、大きなほうき星が観測された。これすなわち追放人が出た証なり。



 彼の効能は・・・・



「キャー!アニー、魔物よ!」

「大蛇だ。メルシー下がって魔法だ!」



 あの魔女っ娘と赤毛の女斧使いだ。

 何だ。蛇を相手に苦戦しているのか?


 あんなの村の周りに沢山いたな。追い払うお呪いがあった。



「アレックスさん?」

「邪魔、どいて!アレックスでは無理」



 俺は蛇の前に立ち。手をあげた。


 心の中でお願いする。そう、母上の教えだ。



「・・・クチワナよ。汝、地に伏す者よ・・・女神は天高く我に守護を与えん。故に追放を与えん」



 すると、まるで興味がなくなったようにどっかに行った。



「・・・アレックスさん。すごいです。魔力を感じませんでした!あれは何ですか?」

「え、母上から教わったおまじないだよ」


「やるじゃん。いや、アレックス、すごい・・・」



 これから魔女っ娘と女斧使いは俺の仲間になった。




 あのクエストは保留だ。ワケの分からない人族を捜索するなんて大金だが、他のクエストをやって地道に稼いだ方が良い・



「ねえ。アレックスさん。これ分からないけども・・・追放人の特徴」

「メルシー、俺は神官ではないよ。どれどれテキストを見せてごらん」


 ・・・29年前に、大きなほうき星が観測された。これすなわち追放人が出た証なり。

 彼の効能は全ての者に罪を与え追放せん。その効能は見境がない。


 魔物は避け。悪人は逃げだし、災難を未然に防ぐ・・・されど、凡人には効能は見えにくい。小悪人は追放人を遠ざけ自ら追放宣言を出すであろう。


「いや、まるで母上から習った呪文みたいだ・・・」


 大きな家で皆は・・・あれ、時々、光輝く美人さんが来た・・・・鳥獣人だ。羽が生えていた・

 光輝く羽が欲しくて落ちた羽を取ったのだっけ?いや、後ろから手を翼に手を伸したのだけ?


 それが追放の原因か?


皆は鳥獣人を崇めていた。女神教ではなかったのか?

 何か思い出しそうになった。

 その時、お姫様の金きり声が聞こえた。



「キイ!ゲオス。まだ見つからないの?もう、片っ端らに魔物の群れに放り込みなさい。追放人なら無事のはずよ。まずは貴方からよ!」


「ベルダ様、そんな殺生な・・」

「やりなさい!」



 ゲオスは・・・まあ、大変だな。あ、ギルマスが来た。



「おい、そこのグループ。メルシーとアニー、そして愉快な仲間たち。クエストだ」


「「「はい」」」


 何でもお嬢様の護衛だ。

 小さいな。


「女性2人と男1人で令嬢の護衛に相応しい・・」


「どうも、お嬢様」


 ジトめだ。14歳ぐらいか?


「私は・・・第四王女ミリア・・・追放人を王都に連れてくれば・・・王位継承権を獲得出来る・・・」


「え、王女殿下・・・」


「父上の命令でこの地に来た。しかし、諦めた。追放人などいない。なら帰るまでだ」


「あのご家来衆はいないのですか?」


「危険だから巻いてきた。ここはお姉様たちが雇った盗賊たちがいる・・・冒険者なら死んでも悲しくない・・・」


「ヒデえな」

「変わった御姫様だね」

「アニーとアレックス失礼ですよ!」


 何か、この娘の目を見ていると、案外、こんな子が王位についた方が良いのかもしれない。


「じゃあ、行こうか。御姫様」



 俺は進む。刺客の大海の中を、冒険者は死ぬことが日常だ。


 と思ったら、あっさり着いた・・・


「アレックス、王宮の賢者会議まで来る。全く面倒な。盗賊が寄りつかない冒険者などおらん」


「え、アニーとメルシーは?」

「妻が二人いるか・・・クシャークの民の番は独りではないのか?・・・全く面倒な」


「違うぞ!二つ違うこのイロボケガキ!」


「あ~、何か不敬罪!全く不敬罪!」

「ヒィ、ミリア様、ごめんなさい」


「ミリア様、許してあげて」


 俺はとりあえず追放されなくなった。

 さて、これから賢者様に会いに行くと言うが。

 話のネタに会うのが楽しみだ。



最後までお読み頂き有難うございました。

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