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勝気恩帝国  作者: みかん
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革命の意思

『光』 体の色がクリーム色の者をそう呼ぶ。

それはとても明るい。そして正義である。

「闇」 体の色が黒い者をそう呼ぶ。

それはとても暗い。そして悪である。

それが人々が“あたりまえ”のように決めつけている常識である。だから光は闇に何をしても許される。


この国、“奈独帝国”でもそうだった。徹底的な情報統制に闇の奴隷を使う普通の国だ。島国であるが、この島はかなり特殊な構造をしていた。丸い形の島なのだが、その真下に同じサイズの地底が広がっていた。闇はそこに閉じ込められ、光に強制的に働かされていた。外側しか太陽の光が当たらず、支配を逃れた闇も日の当たらない暗い場所での生活を送る。


1649年11月10日、一人の少年が枯れ木を集めていた。

「ちょっと離れすぎたかもなあ。でも枯れ木なかったからしょうがないよね。」

彼の名前はワーリッド・テラ。光の支配を逃れた一人である。

「あれは…騎兵、光だ…」

「まずい、すぐ隠れないと…」

しかし見渡しても隠れる場所がない。普段より遠くに来ているのであまり地形も把握できていない。

「とにかく伏せるんだ…こっちには来ないっぽい…」

しばらく経って騎兵は見えなくなった。

「ふう、良かった。最近光が多いな…」

タッタッタッタッ…

(何か近づいてくる…なんだ…?いや、確実にこいつは…)

ガンッ!

「あ…あぁ…」

「何で光が多くなったと思う?」

(痛い…どうしよう。どうしよう!)

「分からないのか?なら教えてやろう!」

「お前みたいな反逆者を消すためだぁぁぁっ!」

ガァンッ!

「ぐあっっ!」

ガンッ…ガンッ…!

(動かないと死ぬ動かなと死ぬ何すればいいかわからないわからない!)

「次でその腹を貫通させてやる!降伏しろぉぉ!」


ヒュッ…ガラァン!…


(助かっ…た?)

ボロボロの灰色の布を羽織った剣士がいた。そして…光は倒れていた。

(何が起きたん…だろう…)

(意識…が…)




「ハァッ!」

「ここはどこだ?」

見覚えがある景色。地底の中央にある一番大きい柱、地底の核の周りにいるようだ。

焚き火がある。あったかい。

そうして温まっているとさっき助けてくれたであろう剣士がいた。

「あのおっ…あなたは何者ですか?名前は何ですか?」

「私は真の正義のために戦う者だ…名前は…訳あって話せない…」

少し沈黙が落ち、その後薬が完成したと言った。

「この薬は起きた時と寝る時に使え。こっちの包帯は8時間ごとに付け替えろこっちの薬は…」

そうして薬の説明を終えたあと最後に一つ質問をされた。

「家がどこかわかるか?わからないなら送っていく…」

それに対してテラは「大丈夫です、割と近いところに自分の集落があるんです。」と答えた。

すると剣士はハッとして、こう伝え一瞬で消えてしまった。「守れなくて…本当に…すまなかった…」


地底の核を目印に支配から逃れた者たちの小さな集落に帰った。おそらくみんな寝ているのだろう、集落は静かだった。いつもよりも声が響く気がする。楽しくて歌おうとしたが、皆寝てるのでここはがまん。ひさびさに自分の家で寝れる!ふとんはそんなに豪華なものじゃないけど。テラはそう思うと疲れて寝てしまった。その夜はいつもより少し寒かった。寝ていたが、寒くて起きてしまい、隣の家の人から枯れ木を借りて火を起こすことにした。そうして隣の家を訪ねた。返事はない。いつもなら寝ていても反応するので相当ぐっすり寝ているようだ。しょうがないのでその夜は何とか寝た。


目覚めが悪い。寒かったからだ。今度こそ枯れ木を借りに行った。返事がない。たぶん僕のせいでぐっすり眠れなかったのかもしれないと思い、テラは少し申し訳ない気持ちになった。ほかの家を訪ねた。ここの家の人なら絶対持ってる。なんせ枯れ木仙人の異名を持っているからだ。枯れ木仙人の異名は伊達じゃない。

だが…反応がない。

「今日も枯れ木を取りに行ったのか…」

しょうがないのでショートスリーパーの防人を訪ねることにした。彼はなかなか強く、光の軍一人ぐらいなら簡単に返り討ちにしてしまう。彼は絶対に集落にいるはずだ。いるはず…あれっ…?…………いるはずだったんだ…

「どうなっているんだ!?」

ついにテラは吹っ切れて家に入った。

特に異常はない。ほかの家も調べようと入ったその瞬間…


家中が血まみれになっていた。

「ラッキーボーイくん…!?」

サイコロが血で染まっている。

槍が2つ落ちている…片方は光軍…そしてもう片方は…防人の…

「あ…あぁ…あぁあぁぁあぁ…」

頭の整理が追いつかない。テラは集落を走り回った。全部血まみれだ…自分の家のみを除いて…

「守れなくて…本当に…すまなかった…」この言葉を思い出す。脳が理解し始めた。でも心は理解を拒否し続けた。隣にあったナイフを自分に向ける。脳が刺すなと叫び続けた。心で刺せと叫び続けた。集落から悲鳴が聞こえてくるような気がする。お前だけは生き残れと言われてるような気がする。

8時間葛藤し、テラは決意した。

風の音だけがする中で、テラはつぶやく。


「どうせ死ぬなら玉砕で終わってやる。」


「革命を起こす…もう二度とこのような思いをしないために…」

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