戦闘
「ひゃっはっはっはっはっは! 俺の相手は女か! いいねえ! 燃えてきたぜ!」
「あら? 女だって思っていると、致命的なミスをするわよ?」
「フン、この俺様に説教か! まずます、気にくわねえ!」
「私は天音、あなたは?」
「俺か? 俺はクイントゥスだ! 死ぬまでの間だけ覚えておいてくれや!」
天音とクイントゥスは戦いの構えを取る。
「くらいなさい! 霊子矢!」
天音は霊子の矢を放った。
狙いは正確無比だ。
天音はいつも射撃の練習をしている。
正確な矢を射るには精神を研ぎ澄ませることだ。
精神の鋭さが、矢の鋭さになる。
「無駄だ!」
クイントゥスはそれを片手で握りつぶした。
「はっはああああああ! この俺の火の前にこんな矢なんてちんけなものは通じないぜ! くらいな! ファイロ・ランツォ!」
クイントゥスは火の槍を出した。
天音はそれを迎撃する。
「へえ……やるじゃねえか。だが、まだまだこれからだぜ! ファイロ・ランツォ!」
クイントゥスはさらにいくつかの火の槍を放った。
天音はそれを迎撃できずに、身をひねってかわす。
天音の背後で、火の槍が焔を上げた。
「ひゃはあああああああ! 楽しくなってきたなあ! これでどうだ! ルージャ・ハーコ!」
燃える小斧をクイントゥスは出した。
あんなものをくらったら天音の体では致命傷になりかねない。
クイントゥスは燃える斧を投げつける。
天音はそれを正確に撃ち落とす。
「ほう……俺様の攻撃を落とすか! まだまだ行くぜえ!」
クイントゥスはさらにルージャ・ハーコをいくつも投げつけてきた。
天音はそれらを正確な射撃で撃ち落とす。
「くくっくくく! はーっはっはっはっはっは! いいねえ! 燃えてきたぜ! こいつならどうでい? ルージャ・オンド!」
赤い火の波をクイントゥスは出した。
「くっ!?」
天音は迎撃できずにかわして何とかやり過ごす。
クイントゥスは口だけではない。
この男は実力がある。
今のところ、遠距離戦だから対処できているが、これが接近戦だったなら天音の命はもうなかっただろう。
「もっと行くぜえ! ファイロ・トロンボ!」
火炎の竜巻が巻き起こる。
ファイロ・トロンボは施設を破壊しながら、天音に迫る。
天音はこれをかわすことは不可能と見た。
腹をくくる。
天音は霊力を矢につがえた。
月の光が矢と化していく。
「月天光!」
すさまじい矢が射られた。
月天光はファイロ・トロンボをあっさりと消し去った。
クイントゥスは愕然とする。
「な、なんだと!?」
ここにきて初めてクイントゥスは表情を変えた。
自信を打ち砕かれた顔だ。
「女あああああああ! なめんじゃねえぞお! こいつでケリをつけてやる! ファイロ・レオーノ!」
火がライオンの姿を取って行く。
火の獅子が吠える。
「行けえええええ! あいつを殺せええええええ!」
「桜花閃!」
収束された矢がファイロ・レオーノを貫き、クイントゥスに命中する。
「ぐっはああああああああ!? ウソだろ!? この俺がやられた!? そんなバカな!?」
「女だからってなめてるからよ」
「ちっくしょおおおおおおお……」
一方、ヴィルヘルミーネとデキウスは。
ヴィルヘルミーネの武器はワイヤーウィップ。
それに対して、デキウスの武器はハルバード。
「クックック、女か。女と戦えるのはうれしいな。それにしても、こんな奴らを始末するのに、我らが出てくる必要があったのか?」
「あなたは何者ですか?」
「私たちはNS――ラ・ノーチェ・スクオーラという組織の者だ」
「暗い夜、ですか。あなたがたの目的は何です?」
「クックックック、それはな、母なる神を降臨させることだ」
「母なる神?」
「その通りだ。我らが侵攻するのは父なる神にあらず。母なる神を我らは信仰している。そのためにはおまえたちは邪魔なのだ! ここで死んでもらうぞ! シュタイノ・ハレバルド!」
ハルバードの先端に硬い石が形成されていく。
石は刃と化して、ハルバードを強化した。
「死ねええ!」
ヴィルヘルミーネはワイヤーウィップを振り下ろす。
デキウスの接近を許さない。
デキウスが直線的に接近してきた。
ヴィルヘルミーネはそれをよける。
「シュタイノ・ランツォ!」
鉱物質の槍がいくつか形成される。
こんなものに貫かれたら、ヴィルヘルミーネは絶命するだろう。
石の槍が発射される。
ヴィルヘルミーネはそれをワイヤーウィップで拘束し、破砕した。
「何? この私の攻撃を砕いた? どうやら、本気でかかる必要があるようだな! グリーザ・ハレバルド!」
灰色の闇がヴィルヘルミーネに向かう。
ヴィルヘルミーネはワイヤーウィップでそれを拘束する。
だが、デキウスは力で強引にそれを破る。
「ふはははははは! そんなもの! この私の敵ではない!」
ヴィルヘルミーネにグリーザ・ハレバルドが振り下ろされる。
ヴィルヘルミーネは回避に徹する。
どうやら、ヴィルヘルミーネのワイヤーウィップではデキウスの攻撃を完全に防ぐことはできないようだ。
ヴィルヘルミーネはワイヤーウィップに雷をまとわせる。
この状態こそ、ヴィルヘルミーネの本気だ。
「ドナー・パイチェ!」
ヴィルヘルミーネが雷の鞭を振り下ろす。
「ぐおおおおおお!?」
グリーザ・ハレバルドと雷の鞭がぶつかり合う。
「くっ、この私が、こんな女ごときに……」
「なめてると痛い目に遭いますよ? これで決めます! ブリッツ・シュランゲ!」
雷の蛇が縦横無尽に走った。
「なめるな! ティーグロ・ハレバルド!」
虎の形をした妖気が形成される。
二人の攻撃は真っ向からぶつかった。
そのまま正面衝突する。
打ち勝ったのはヴィルヘルミーネの攻撃だった。
雷の蛇はデキウスを呑み込んだ。
「うがあああああああああ!?」
デキウスはそのまま倒れた。




