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シネマ・コンプレックス

シネマ・コンプレックスは映画館を中心とした、複合施設だ。

エンターテインメント関係の施設が多く作られている。

若者がおもに訪れるところで、家族連れなども見かけることができた。

「なんだか、落ち着きませんね……」

カズマはこういったところは初めてだ。

初めてなので緊張する。

カズマと同じくらいの年頃の若者も多かった。

「カズマ君はこういったとことは初めて?」

「はい、初めてです。親はこういったところは不良が行くところだって言って連れてってくれなかったので」

「そっか、それじゃ仕方ないね。まずは映画館に入ろう!」

「俺は映画館に来るのも初めてです」

「カズマさんは映画館に来たことがないのですか?」

「はい、娯楽より、勉強ばかりさせられてましたので」

「今回の映画はアクション映画よ」

「アクションですか?」

「シリーズ物の最新作。まあ、アメリカ産だけど」

「カズマさんはホラーの方が良かったですか?」

ヴィルヘルミーネが不穏な事を聞いてくる。

ホラー……ホラーか……怖いのは勘弁してもらいたいな。

「いえ、アクションでよかったです」

「じゃあ、席はスマホで取ってあるから、あとは映画館にはいるだけだよ。じゃあ、レッツゴー!」

天音を先頭に二人はついて行った。


映画は初めて観たカズマだったが意外とすんなり入り込めた。

主演俳優は迫真の演技で、アクションシーンを演じた。

ドキドキ、ハラハラするようなシーンの連続で、楽しめた。

三人は最高のクライマックスを迎えて、映画館を出た。

「おもしろかったね! 緊迫したシーンが続いて、ずっと注目してたわ!」

天音がすっきりした表情で告げた。

「やはりアクションは重要です」

ヴィルヘルミーネは淡々としていたが、その顔は満足げだった。

「カズマ君はどうだった? おもしろかった?」

「ええ、そうですね。どうなるのか分からないことがすごく楽しかったですね」

「それは良かった。カズマ君には映画は楽しめないんじゃないかって思っていたのよ」

「そうでもないですよ。まあ、一般の人と比べるとこういったものとは縁があり合せんが……」

「映画を観た。天音、次は食事でしょう?」

「そういえば、おなかがすいたね。カズマ君はどう?」

「俺もおなかペコペコですよ」

「じゃあ、この辺りにはイタリアンレストランがあるから、そこに行かない?」

「イタリアン……いいですね」

「イタリアンですか……俺はそれも初めてです」

「そっか、食堂ではイタリアンは出ないもんね。じゃあ、行きましょうか」

三人はこうしてイタリアンレストランに突撃したのだった。

イタリア料理もカズマには初めての体験だ。

この日はカズマにとって初めての体験をすることができた日だった。



「おまえたち、目標はわかっているな?」

「はい、わかっております」

「問題ねえぜ」

「無論だ」

カズマたちをひそかに眺める四人がいた。

その一人はルチフェールだった。

彼らはカズマたちを襲撃するためにここに来たのだ。

三人はイタリア料理をおいしそうに食べている。

ルチフェールはここでひそかに闇の攻撃を行おうと画策していたのだ。

すでに仕込みは完了している。

ルチフェールが思い描くのは阿鼻叫喚の地獄絵図だ。

このシネマ・コンプレックスで魔物による襲撃を考えていた。

作戦は三段階に置いて実施される。

まずは魔物をこの施設に解き放つ。

それからこの三人、ガイウス、クイントゥス、デキウスをカズマたちにけしかける。

それから本来の襲撃予定の魔物を出す。

この三段階である。

ルチフェールは己の陰謀が成功するのを今か今かと楽しみにしていた。

「よし、そろそろ作戦を開始するぞ? ククククク、さあ、地獄絵図の始まりだ!」



カズマたちはレストランを出た。

「ふいー、食べた、食べた」

「どうする? このまま帰る?」

「そうですね、買い物とかしてもいいんじゃないですか?」

「それじゃあ、買い物でもしよっか。カズマ君はどうする?」

「俺ですか? 本屋にでも行こうと思ってますが……」

「ぎゃああああああああ!?」

その時悲鳴がした。

それはただならぬ雰囲気だった。

三人が警戒する。

「何だ? いったい?」

「あれは!?」

三人は施設内に魔獣が入ってくるのを見かけた。

魔獣は鋭い爪と牙を持ち、四つ足歩行で客を襲っていた。

赤い血が周囲にまき散らされる。

「カズマ君、ミーネ、霊装具現化よ!」

「は、はい!」

「わかりましたよ!」

カズマは刀を、天音は弓を、ミーネはワイヤーウィップをそれぞれ作り出す。

三人が霊装を出すと、魔物たちは三人を警戒し始めた。

「この魔獣は手分けして相手をしましょう! 私は北口に行きます! カズマさんは南口に、天音は西口に行ってください!」

ヴィルヘルミーネはすばやく判断をする。

ヴィルヘルミーネはここに来る前は軍人だった。

そのため、状況判断が適切だった。

「わかりました!」

「わかったわ!」

カズマは南口の魔獣を屠った。

魔獣に知能はないので、カズマはそうそう後れを取らない。

「やはり、魔獣程度ではおまえたちは倒せないか?」

「誰だ!?」

カズマの前に現れたのは黒マントの男。

黒い髪は長めだった。

「俺はガイウス、NSのメンバーだ」

「NS?」

「ラ・ノーチェ・スクオーラ。略してNSだ。おまえはカズマというらしいな。ある方からの命令だ。消えてもらう!」

ガイウスは黒い斧を出した。

「ニグラ・トポーロ!」

黒い斧がカズマに振り下ろされる。

ガイウスはこの一撃で仕留められる、そう思っていただろう。

だが、カズマはこの一撃を耐えた。

「な、何だと!?」

「そんなもんか? 俺の力をなめるなよ?」

カズマが刀で反撃する。

ガイウスは恐れをなして後退した。。

「くっ!?」

カズマは間合いを詰める。

さらに鋭い一撃をカズマはガイウスにお見舞いする。

「なっ!?」

「俺だって、成長しているんだ! なめるなよ!」

「くっ、ローコ・トローポ!」

ガイウスは苦し紛れに技を出す。

だが、カズマには通じない。

カズマの霊気はさえわたり、むしろ冷っとするくらいだった。

霊光撃れいこうげき!」

カズマは強烈な一撃をガイウスに叩き込んだ。

「ぐっはあああああああああ!?」

ガイウスは吹き飛ばされた。

「ここはもういい。ほかの二人は……」

カズマはほかの二人と合流を模索するのだった。

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