襲撃者
「きさまがジャン・カルヴィヌスか。こうして出会えるのを楽しみにしていたぞ」
「フン、私には男と出会えて喜ぶ趣味はない」
「フハハハハハ! おまえは強いな! おまえの体から強烈な霊気を感じる!」
マルクスはジャンをそう評する。
ジャンは光の大太刀『スパーダ』を出す。
光の刃が燦然と輝く。
「ハーハハハハハハハハ! 行くぞ!」
マルクスは剣でジャンを斬りつける。
ジャンはマルクスと斬り結ぶ。
剣と剣がぶつかり合う。
剣撃が音と化して周囲に発される。
「ふむ……このスピードについてこれるか! やるな! だが、これはどうだ!」
二人のスピードは上がっていく。
打撃音が響き渡る。
見ているものには消えたり見えたりしていたに違いない。
「ハーハハハハハハハ! 最高だぜ! ジャン・カルヴィヌス! おまえは強い! だが、俺の方が上だ! こいつをくらえ! テーロ・ランツォ!」
土属性の槍がジャンに襲いかかる。
ジャンはそれを大太刀で斬り払う。
ジャンには一本の槍も当たらない。
「その程度か? それでは私には届かないぞ?」
ジャンはマルクスを挑発した。
ジャンはマルクスが挑発に弱いと思っていた。
「何いいい!? てんめえ! この俺を侮辱しやがったな! こいつをくらえ! ブルーナ・ローコ!」
茶色い大岩をマルクスはジャンに向けて放つ。
大岩はジャンを押しつぶそうとする。
ジャンは大太刀をひらめかせると、大岩を斬り刻んだ。
大岩が解体された。
「なっ!?」
「この程度か。やはり、私には通じないな」
「なめんじゃねえ! ぶっ殺してやる! テルトレーモ!」
地震がジャンの周囲で発生した。
ジャンの体がふらつく。
「死ねえ!」
マルクスが直線状に突きかかってくる。
ジャンは後方に跳びのいてそれをかわす。
「ブルーナ・グラーヴォ!」
マルクスは茶色い斬撃を出した。
ヴィルヘルミーネの攻撃を打ち破った技だ。
ジャンは恐れずにその斬撃に斬りかかった。
霊気の斬撃をブルーナ・グラーヴォに叩き込む。
ブルーナ・グラーヴォは霧散した。
「ちい! なめてんじゃねえ! テーロ・ランツォ!」
地の槍がジャンに襲いかかる。
今度はジャンは斬らずに、身をひるがえしてかわす。
マルクスは調子に乗ったのか、地の槍でジャンを追いつめようとしてくる。
「これで殺してやる! はああああああ! テーロ・デトルーオ!」
大地が裂けて、光を放出する。
マルクスの最強攻撃であり、大規模攻撃。
だが、ジャンはそれを器用にかわす。
ジャンにはこれほどの規模、威力の攻撃はない。
だが、ジャンは焦らない。
これほどの攻撃がずっと続くことは考えられない。
いつか必ず、力尽きるだろう。
そこが、ジャンの狙い目だった。
「ちっ! 器用に逃げやがって! うおおおおおおおおお!」
マルクスがさらに出力を上げた。
マルクスから急速に妖気が消耗されていく。
そして終わりの時が来た。
ジャンはすばやく近づくと、大太刀で、マルクスの腹を貫いた。
「ぐっはあああああああああ!? この俺が!?」
「終わりだ」
「!?」
ジャンはマルクスの首をはね飛ばした。
一方、天音対セクストゥスは……。
「女が私の相手か。少しは楽しめそうだな。せいぜいその美しい顔を恐怖と絶望で歪めるがいい」
「私をただの女だと思うと痛い目を見るわよ?」
「フン、女のくせに生意気な! アクヴォ・トランチョ!」
セクストゥスが右手を払った。
天音はとっさに後退していた。
そこには水の刃が薙ぎ払った。
セクストゥスは水の力を使えるらしい。
天音は弓を握って、射った。
『霊矢!」
「無駄だ! 霊気の攻撃などぼくには効かん!」
セクストゥスは水の膜を張って、天音の矢を防御する。
「月光撃!」
月の光のような一撃がセクストゥスに放たれた。
天音の一撃はセクストゥスに向かって飛んでいく。
セクストゥスはその場から離れて、天音の一撃を回避する。
「くっ、やるな。だが、このままではすまさん! アクヴォ・ディスコ!」
セクストゥスは水の円盤で天音を攻撃した。
水の円盤は執拗に天音に襲いかかる。
天音は回避だけで精いっぱいだ。
「アクヴォ・クーグロ!」
セクストゥスは水の弾を出した。
水の弾が天音を狙って飛んでいく。
「ああ!?」
天音が悲鳴を上げる。
それを見てセクストゥスは弑逆的な笑みを浮かべた。
「クックック、ただでは殺さない。ぼくの力で腕を一本行かせてもらおうか! アクヴォ・トランチョ!」
水の斬撃が天音を襲う。
天音は守勢に立たされた。
このままではなぶり殺しだ。
天音は反撃の機会を探るが、セクストゥスも優秀な戦士だ。
そう簡単に隙を見せてはくれない。
「これで吹き飛ばしてくれるわ! マーロ・アエルフルーオ!」
水の流れが一気に天音を襲う。
天音は追いつめられた。
「桜吹雪!」
天音は霊気を桜に変換すると、それをマーロ・アエルフルーオにぶつけた。
二つの攻撃がぶつかり合う。
威力は互角だった。
「ちっ! 大技ではしとめきれなかったか! ならば確実にこの攻撃で、殺す! アクヴォ・ランツォ!」
水の槍が天音を攻撃する。
「あああ!?」
天音は迎撃しきれない。
直撃は避けたが、このままでは一方的になぶられるだけだ。
そしてその結果としての死……。
だが、天音は霊気を爆発的に高めた。
「無駄だ! このまま葬ってやる! グランダ・アクヴォ・ランツォ!」
大きな水の槍が放たれた。
この攻撃は最低でも迎撃しないと、こちらがやられる。
天音は覚悟を決めた。
天音は自らの最強の技を出す。
「桜花閃!」
桜の花びらが収束されて、一本のレーザーと化す。
天音は全力でそれを射った。
勝敗はあっさりついた。
天音の攻撃が水の槍をぶち抜いたのだ。
「なっ!? ぐおおおおおおおお!?」
桜花閃はセクストゥスを呑み込んだ。
勝敗はついた。




