絶望パンデミック
「お前は何度言ったら分かるんだ!」
そんなこと言われても、、、
「営業成績も、、最近では新しく入った新城くんの方がいいらしいね?」
あなたの”お気に入り”の話はもう聞き飽きた。
「こんなだらしないままではいつまでたっても彼女なんてできないんじゃないか?」
余計なお世話だ。
いつからだろう、、自分が嫌いでたまらなくなったのは。
いつからだろう、、周りの人間に対して憎悪の念を抱くようになったのは。
いつからだろう、、夜に寝れなくなってしまったのは。
いつからだろう、、死に希望を見出すようになってしまったのは。
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会社のデスクで昼食を食べていたら後輩の新城が話しかけてきた。
新城「また部長に怒られてたんですか?、ハハハっ!あの人も懲りないですよね(笑)。ていうか松前先輩いい加減髪切ったらどうですか?そんなに長いと前見えないんじゃないですか?」
”そうだね”と返事をしたものの内心は切れていた。なんで新城がそんなにヘラヘラしていられるのか理解できなかったし、何にも苦労を知らなそうに生きていて正直腹立たしかった。
髪に関してはほっといてくれと思った。くだらないことでいちいち話しかけてくるこいつが俺は嫌いだ。
新城「なんで先輩はいつもそんなに雰囲気を悪くするんですか?」
「え?」
不意を突かれたような質問だった。
心の中ではいくらでもいえるが、人に正面切ってそいつを嫌いだからと言えるほど俺は強くなかった。
後輩は俺に続けて質問を投げかけた。
新城「先輩ってなんか悩んでます?なんか、、そんな気がして、、、」
「悩んでるって、、、そりゃあ、、、、、」
次の言葉が喉の奥で突っかかって出てこない。
”俺は何に悩んでいるんだろう”
俺は確かにこの会社が嫌いだし、、だいたいの人には嫌悪感がついてまわり、、何より自分が好きになれない。でも違う、、そんなことで俺がずっと悩んでいたんじゃ、、、、、
いや、そんなことで俺は今まで悩んでいたのか?
急に生まれた違和感がみぞおちのあたりでたまっていくのを感じる。
”俺は何に悩んでいるんだろう”
もう一度繰り返される疑問はより鮮明に頭の中をよぎる。
新城「う~ん、、、じゃあ質問を変えます。先輩は今に満足してますか?」
「いや、、、」
自分でも驚くほどはっきりとその言葉は口から発せられていた。




