0話
少しづつですが確実に進めていきたいと思います!
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そこには、赤い湖があった。
否——それは湖などではない。人の血が溜まった、地獄の沼だ。
「はぁ、はぁ……リナ……! 起きてくれ!」
少年・カイは、血に濡れた少女の体を必死に揺さぶった。
しかし、リナはぴくりとも動かない。胸には深い傷が穿たれ、呼吸の気配もない。
「クソっ……起きてくれよ! アイツらが……また来るんだ、早く……!」
身体が震える。呼吸が詰まりそうだ。それでもカイは、歯を食いしばって立ち上がった。
彼女を守ると、幼い頃に誓った。たとえ誰も助けてくれなくても——
「重っ……お前、普段どれだけ食ってんだよ……!」
震える腕で、カイはリナの体を背負い歩き出す。
その背に、いくつもの声が突き刺さった。
「助けてくれぇ! そこのお前ぇッ! 聞こえてるだろ! 助けろよぉ!」
転がる男の叫び。血まみれの手が地を這う。
だがカイは振り向かない。
「……死にたくねぇ……!」
次の瞬間、何かが爆ぜた。
カイがそちらに顔を向けると、そこには“それ”がいた。
黒く膨れ上がった体。人とも獣ともつかない異形。
祈る間もなく、浮遊感に包まれそして自分の体を押し流す感触と、凍えるような冷たさの中意識を手放
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