好き勝手
『好き勝手』
弁当はコンビニで買う。ずっと長い間そうしてきた。両親とはあまり交流しなくなったけど、暇な時は料理を作ってあげる。
高校二年も終わりが刻一刻と迫っていた。彼氏は海外の大学に行くらしい。だから、卒業までが最後。私は明日になれば別れを告げるかもしれないと思った。
私は一緒に行こうと誘われた。日本語以外知らないし。
私は、大学に行くつもりだ。偏差値は普通だし、とにかく家の親が払えるくらいの大学に行こうと思った。
高校時代の最後を締めくくるに相応しく、私は彼氏と決別する事にした。嘘はいけないと思った。好きだから別れるということを伝えた。彼氏も別れ離れに応じた。
これで一人になった。家族はいるが、飯を作るだけだ。弁当分は学校から帰って食べる事にしている。大食いではないのだが、コンビニの弁当だけではお腹がすく。
部活もだるいし入っていないし、塾とか勉強もしていない。
そして、私は煙草を吸いながら、散歩に出かける。18才になり、AVにも出られる年齢に達したなと思った。
――処女だったのにタンポンを入れていた。そして初めてで、血は出なかった。意外とあまり痛くなかった。修行の賜物だろう。一人で痛みを慣らしていた。勿論大人の玩具で。
そして、別れてから約半年で彼氏を作った。私はそれが海外を夢見た彼氏だった。私たちは、初めての恋のように、熱くなった。
きっと、気にいってしまった。全てを。心が初めて揺れに乱れた。私はきっとこの彼氏と別れたらお終いなんだろうなと思った。いつもうどんを奢ってくれたし、ホテル代も出してくれた。きっと金の不自由しない、そんな環境で生まれ育ったのだなと思った。
私はいつからか、恋よりも切ない愛を感じた。
「私はPCのメールを送るよ。恋人から友達に代わるから」
「俺も、一人になると淋しいからな。まあ、お互いが恋人ができるまでは続けよう」
「分かった。そうした方が自然ね」
そう言っていた。楽しい日々は続かないものだなと思った――
高校を卒業して、大学に入った。私は高校時代の友達と仲良くなった。それにしても、綺麗な校舎だ。私はきっとここで何年持つかなと思った。
大学生活も始まった。大学一年はきっと、遊ぶために時間があったのだと思う。時々思い出す。最愛だった恋人の顔立ちを。想い出を。
そして、友人たちと呑んだりしていた。美味しい酒が私たちをハイにさせた。何時までも呑んでいた。私は煙草を吸いながら、何時までも笑っていた。
結構同級生が少ない学校で、結構顔見知りは多い。何時までも、宴は続いていた。講義も適当に聞き、一年は消化して行った。
大学二年で、彼氏を替えた。よりいい男を捜すのが女ってもんだろう。
私は大学の単位をほとんどとっていて、一人暮らしのアパートに帰って行った。学校よりもバイトが大事だった。五月に誕生日を迎えて、彼氏と一緒に煙草を吸いながら、談笑していた。丁度、日曜日の昼間だった。
夏休みは部屋で、缶チューハイを呑んでいた。彼氏もアパートを借りている。
それなのに、ここにほとんど同棲っぽい状態になっていた。
そして、友人と台湾に行ったり、ドバイに行ったりしていた。日帰りで。楽しみはそろそろ終結まで後少しになった。私はいつも、思っていたが、大企業に入るために猛勉強を始めた。頭が鈍っている。だから、気持ちが鈍りかけたが、勉強をしているうちに受験勉強を思い出した。20の受験勉強だ。
大学三年は皆で集まる機会を大学以外に失った。一緒に学食を食べている時に進路に就いて話している。私はリクルートスーツを着て、気持ちを引き締めた。バイトはもう辞めた。彼氏がしてくれるようになった。
「俺は適当でいいよ」
そう言ってくれたので、想いっきり甘える事にした。
そして、大学四年になり、彼氏もリクルートスーツを着るようになった。秋口になり、私は就職が内定した。大手自動車会社のOLとして来年の四月からは働けそうだ。
同棲気味の彼氏と別れるのが淋しかった。でも、一緒にいたメンバーと離れる方が辛かった。
「絶対結婚式があったら、出席しようね」そう言った。
そして、大学を卒業後に付き合っていた彼氏と離れて、合コンでしばらくは遊んでみようかなと思っている。大企業に就職できたから。