男の子
人間の男の子。誕生日を迎えて十三歳くらいになるという設定です。こちらも名前は付けていませんが、人魚にはない名前を想定しています。それにより、彼の名前が文中に1回たりとも出てこなくても成立するかなと考えてのことです。女の子は死を迎えるその時まで彼の名前を知りません。1回で覚えられなかったから仕方ないね。例に漏れず容姿の設定はないですが、女の子より少し身長が高いかな。
女の子視点で書いたお話なのと彼がどちらかといえば話の聞き手だったこともあり、殆ど情報が出ませんでした。もともとの設定は、海の近くに住んでいることと、海が好きなこと、あと父親が漁師で母に内緒で砂浜に来ていることしか書いていませんでした。
彼の家があるのは国のはずれにある漁村で漁をすることで生計を立てている村です。男はみな十三歳くらいで初航海へ出ることになっています。もちろん天候や漁の時期なんかによって前後はしますが。海に恐怖を抱かないように津波とか海の怖いところは教えないように育てられます。どちらかといえば憧れを抱かせるような。海に出て漁をする男の人かっこいいって教わって育ちます。
一応作中(最後の見送りのシーン)に描写しなかったのでわかる人もいるかもしれないのですが、彼は一人っ子です。父親と母親との三人家族です。そして幼馴染もいないのでいつも一人で過ごしていました。それもあって海への憧れがほかの子より強かった感じです。兄のように慕われている(と思っている)女の子と話すのをとても楽しみにしていました。
この話を書くにあたって、彼を死なせることは決まっていましたが、なんか申し訳なくなったので最後に天国という形で救いを用意しました。女の子が精神的に強すぎて圧を感じたのでね……