剣士ニック
俺の名はニック。
剣士としてはちょっとした有名人で、イケメンって言われることも多いんだ。まあ、笑顔があれば大抵の問題は解決するし、腕っぷしだってかなりのもんだ。どこ行っても頼りにされるし、何より冒険者として稼ぎも上々。人生、楽しくやらなきゃ損ってね。
そんな俺でも、時には面倒くさいことに巻き込まれるもんだ。今まさに、目の前にゾロゾロと現れたモンスターの群れ。雑魚だってことは分かってるんだけど、数が多いと流石に手こずるのも事実だ。
「ったく、やれやれだぜ…」
剣を抜きながら、ちょっとしたため息。さっさと片付けて次の仕事に向かうかと思った瞬間、不意に石が飛んできた。モンスターに当たって、バシッと一匹が倒れる。
「ん?今の…俺じゃないよな?」
周りをキョロキョロしていると、どこからか声が聞こえてきた。
「助太刀するよ〜!」
誰だか分からないが、こういうのも悪くない。助けてくれるなら助かるし、俺も楽ができる。
「おお、助かる!よろしくな!」
こうして、謎の援護を受けつつ、サクッとモンスターたちを片付けてしまった。俺と見知らぬ援護者が完璧なコンビネーションを見せるなんて、運命ってやつかな?
さて、礼でも言うかと声の主に振り返ると、目に飛び込んできたのは…なんだこれ?パンダの顔にペンギンの体?目を疑うような奇妙な生物が俺の前に立っていた。
「お疲れ!コロッケ食べな♪」
そう言うと、そいつは俺に唐突にコロッケを押し付けてきた。なんてこった、助けてくれたお礼ってことか?いや、そういう問題じゃないだろ…って、うまい!
驚いてる俺をよそに、そいつはニッコリと笑っている。まさか、こんな出会いが待ってるとは思わなかったぜ。




