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パンギンの冒険  作者: じー店鳥
第4章 レンとアム
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新たな試練

 仲間が増え、パーティとしての形が整ってきた。前衛にはじーとニック、後衛にはひよと魔法使いのレンとアムがいる。戦闘もそれなりにこなせるようになり、パーティとしての役割分担も見えてきた。


 だが、じーは思った。今のままで本当に大丈夫なのか。


 戦える仲間が増えたのはいい。しかし、増えたからといって、それが「強くなった」ということにはならない。実際、戦闘中にひよがてんてこ舞いしていたこともあった。魔法使いのレンとアムは強力な魔法を持っているが、戦闘のバランスを考えなければ、かえって全体の動きが乱れることもある。


 今、じーたちに必要なのは何なのか。


 じーは考えた。


 こういう時は、パンダ師匠に相談すればいい。


 パンダ師匠なら何かヒントをくれるかもしれない。今までも、重要な場面で導いてくれた存在だ。


「……パンダ師匠のところへ行こう」


 じーがそう提案すると、ニックは「なるほど、それはいい考えだな」とすぐに賛成した。


「師匠なら、俺たちの今の状態を見て、何かアドバイスをくれるかもしれないな」


「モフモフの師匠……ちょっと興味ある」


 レンとアムも、軽く頷いた。


「確かに、経験豊富な人の意見を聞くのは大事ね」


 ひよも納得した様子だった。


 こうして、じーたちはパンダ師匠のもとへ向かうことになった。




 パンダ師匠の住む森へ到着すると、師匠はじーたちを見るなり「ふむ」とうなずいた。


「ずいぶん賑やかになったな」


 じーは黙って頷いた。


「どうやら、お前は仲間を増やすことに成功したようだな」


 師匠の言葉に、ひよやニックが少し驚いた顔をする。


 強くなったかどうかではなく、仲間を増やしたこと を評価された。


「強さとは何か。それは、単に己の力を高めることではない。お前は今、仲間と共に戦っている。それこそが、お前が成長した証だ」


 じーはその言葉を反芻する。自分一人ではなく、仲間がいるからこそ戦える。そのことに気づいたからこそ、こうしてパンダ師匠のもとへ相談に来たのだ。


「だが……」


 師匠はじーたちをじっと見つめる。


「仲間を増やすだけでは、まだ不十分だ」


 ひよが眉をひそめる。


「どういうことでしょう?」


 パンダ師匠は静かに告げた。


「お前たちには試練が必要だ」


 その瞬間、じーたちの背筋が伸びる。パンダ師匠の言う試練が、生半可なものではないことは明らかだった。


「お前たちの力を試すため、ある存在と戦ってもらう」


 そう言って、師匠はじーたちを見渡しながら、ゆっくりと口を開いた。


「伝説のペンギン を倒してこい」


「伝説のペンギン?」


 ニックが目を丸くする。


「ただのペンギンじゃないわよね?」


 レンが呟くと、パンダ師匠は静かに頷いた。


「伝説のペンギンは、氷の魔法を操る強敵だ。その素早さ、知能、戦闘能力……どれも一級品だ。今のお前たちが、本当に一つのチームとして戦えるのか。それを試すには、うってつけの相手だ」


 じーたちは顔を見合わせた。


 確かに、今のパーティにはバランスの取れた役割分担がある。前衛、後衛、回復役。そして、魔法攻撃も加わった。しかし、それが実戦で本当に機能するのかはまだ分からない。


 パンダ師匠の言葉は、じーたちに 「試されている」 という感覚を強く植え付けた。


「……なるほど」


 じーは静かに頷いた。


 目の前の試練を乗り越えれば、何かが見えてくるかもしれない。仲間とともに戦う意味、そして、真の強さとは何か。


「行こう」


 じーのその一言で、パーティは動き出した。


 次の目的地は、伝説のペンギンが住む氷の山。試練が待っている。

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