表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンギンの冒険  作者: じー店鳥
第3章 ひよ
13/25

僧侶ひよ

私はひよ、中堅どころの冒険者。

職業は僧侶。僧侶は、冒険者パーティにとってなくてはならない癒しの要。戦場で傷ついた仲間の体力を回復したり、状態異常を治したりするのが私の役目だ。常に全体を見渡して、誰がどのくらい消耗しているのかを考えながら動くのは大変だけど、やりがいがある。


ただ、僧侶はその特性上、信頼できる仲間がいないとその力を十分に発揮できない。仲間がしっかり連携してくれなきゃ私も動きづらいし、逆に信頼関係が強ければ強いほど、私の力も引き出されるんだ。そんなわけで、新しい仲間を見つけるのは慎重にやらなきゃいけない仕事。


最近まで私はベテランパーティの一員として活動していたんだけど、諸事情でそのパーティは解散しちゃった。だから今、新しいメンバーを探してるところなんだ。でも、これがなかなか簡単にはいかないんだよね。


今日も朝からギルドに足を運んだ。誰かいい人いないかなって、掲示板の募集を見て回るけど、これって人探し以上に運任せな感じがある。


「ひよちゃん、ちょうどいいところに来たね!」


懇意にしているギルド職員のミミさんが、カウンター越しに私を呼び止めた。彼女は私の性格や働きぶりをよく知っている頼れる人で、時々冒険者や依頼を紹介してくれる。


「新しいパーティを探してる冒険者がいるのよ。ひよちゃん、話してみない?」


「本当? どんな人たちなの?」


私がそう聞くと、ミミさんはにっこりと笑って「いい人たちだと思うよ」と言って紹介してくれたのが――。


まず目に入ったのは、剣士のニックさん。見た目からして経験豊富そうだし、剣を担ぐ姿には貫禄がある。けど、どこか軽い雰囲気もあって、「チャラい人なのかな?」なんて警戒心がよぎる。でもミミさんが紹介してくれるくらいだし、信頼できる人なのかな?


そしてもう一人。えっと…このモフモフした生き物、何? ギルドで初めて見るタイプだし、最初はモンスターかと思っちゃった。でも名前は「じー」らしい。ふわふわでかわいい見た目だけど、ギルドに登録してるってことは、ちゃんとした冒険者ってことだよね? なんだか不思議だけど、少し近くで見てみると本当に可愛い!


ミミさんの勧めもあって、私はとりあえずこの二人とお試しでパーティを組むことにした。僧侶として、誰と組むかで戦い方も冒険の質も大きく変わるから、最初の印象以上に実際に動いてみないとわからない部分もある。


「よし、やるからには全力でやるよ!」


新しい仲間と冒険を始めるのは、いつも少し緊張する。でも、それ以上に楽しみでもある。ミミさんが推してくれたこの二人と、どんな旅が待っているのか――期待に胸を膨らませながら、次の一歩を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ