表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリーヌ゙が斬る  作者: 中島
0章
4/7

0章-4

 2日目が始まった。昨日と変わらず観客の殆どが獣人であり、エリーヌ゙に冷たい視線を向ける者もいるが、エリーヌ゙に対して期待の眼差しを向ける者もいない訳ではなかった。


 観客の暖かい視線を見ると、エリーヌ゙は「応援されてるんだ」と感じ、活力が湧いてくるのである。


 隣にいる「思いやりと正義感に溢れる世界」というマニュフェストを掲げる、ウレーニャという獣人が


 「この世界は様々な差別と偏見で満ち溢れています。

 例えば獣人の不当優遇、一部獣人の人間に対する高圧的な態度やそれを全く注意しない人々。

こういった行動は、他者に対する配慮や思いやりが欠けているし、そういった行動は無くしていくべきだと思います。

 みなさんも、弱者を思いやる心と、駄目なものは駄目だとはっきり言える勇気を持ちましょう」


 と演説するので、エリーヌ゙も負けるまいと


 「この世界は獣人というだけで不当に優遇され、人間というだけで不当に冷遇されています。こんな理不尽、許されてよいのでしょうか。私は人間も獣人も、個人の実力で決まる世界を望みます」

 

 と演説する。


 その演説を聞いた瞬間、エリーヌとウレーニャが互いに互いを睨み合う。お互いの発言が、かなり似偏っているように感じたのだ。  


 「なんですかそのパクリみたいな文章は」

 「そっちこそ」


 と、小学生並に醜い口喧嘩を始めるが、宥める者は誰もいなかったし、観客も「元気があるなー」と感じながら、一歩引いた目線から見物しているだけであった。


 結局、2人とも折れて謝罪したから良いものの、もし折れていなかったら、その人に対する観客からの信頼は間違いなく無くなるだろう。


 政治家たる者、そこら辺のリスクを計算して動かなければならないのだ。感情で動いて口喧嘩など、はっきり言ってみっともない。


 選挙活動2日目はこれといった進展も無く終わったが、エリーヌの目に後悔は無かった。毎日一生懸命演説しているからである。ウレーニャも同様だ。


 ある観客はウレーニャとエリーヌ゙の演説を「ウレーニャさんは理性に、エリーヌ゙さんは感情に訴えかけている。優劣はつけられないが、個人的な意見としてはどちらも応援したい」と評価したが、その観客の中では何方を応援歌するかは既に決まっていた。



 


 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ