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エリーヌ゙が斬る  作者: 中島
0章
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2

 全てがこうなってしまったのにも原因がある。


 少し前、人間優位だった時代、一人の獣人が「獣人にも選挙に立候補する権利をください」と人間に懇願したことが始まりである。

 

 すると、懇願された人間側があっさりと「いいですよ」と許可を出したのだ。勿論、この事が引き金になってしまったことは、まだ誰も知らないのである。


 それから少し時間が経ち、獣人の政治家が誕生すると、獣人の政治家は「獣人のためにも、政治家に獣人枠を導入してほしい」という要望をしたのだが、人間の政治家から「実力で勝ち取って欲しい」という理由で却下された。

 

 しかし、それでも自身の提案を諦めきれなかったのか、住民投票で「獣人に参政する権利を与えてください。お願いします」と言い回った結果、ほぼすべての獣人からの支持を受け、見事獣人枠というものが導入されたのだ。この世界の歯車が狂い始めたのも、大体この時代からであろう。


 この案が立案されてから、自身が獣人であるということに自惚れ人間を露骨に下に見る者が増えた一方で、獣人にもチャンスが開かれたと考え、人間と遜色ない実力を持つものも現れ始めた。獣人は2極化していったのだ。


 たまたま、店にいた獣人が前者であったというだけだろう。その事についてそこまで深く考えることではないと考えた後、店員はエリーヌに対してこう言った。


 「何者ですか?」

 「政治家志望の人間です」

 「凄いですね。獣人ばっかですよ」


 実際、選挙に当選して政治家になるのはほとんどが獣人である。恐らく、選挙に積極的な獣人達が「獣人である」という理由だけで獣人に投票し、獣人の票を稼いでいるのだろう。実際、選挙の季節になると、やたら熱狂的な獣人がいるのは事実である。


 エリーヌはコーヒーを飲み干すと、「ありがとうございました」と一言放ってから店を出た。 


 この出来事が起こったのは、選挙運動が許可される前日であった。


 

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