プロローグ
「ここは?」
目が覚めたら俺は洞窟のような所にいた。
どうしてこんな所に?
うっ…頭がっ…俺は…何をしていた?俺は誰だ?俺は…
「少し落ち着け!」ゴンッ
「いった‼︎」
「とりあえず落ち着いて周りを見ろ‼︎そして私の話を聞け‼︎‼︎」
「あ、はい。」
「まず私は【戦鬼】の魔王、アシュラだ」
「は?」
いやいや何言ってんだこいつ頭おかしガハッ
「話を聞けって言ったよね?」
「すいません。」
「はぁ。で続きだけど君は今日【無】の魔王に選ばれました‼︎」
「………」
「そして自由気ままな糞爺こと原初の魔王長オリジン様が百組の師弟を選んで師匠の方の迷宮に送りました‼︎」
「糞爺曰く『今回からの取り組みでのぉ。熟練魔王が新人魔王を教育して新人魔王がすぐに死ぬのを防ぐ取り組みじゃ。』と言うことらしい。」
「よし。取り敢えずここまでで質問はあるか?」
もはや驚きを通り越して声も出ない…って質問しなくては!
「俺はなんなんだ?」
「【無】の魔王。」
「魔王とはなんだ?」
「魔王は迷宮の主人であり魔物を従えている者のことであり、糞爺に二つ名を与えられた者のことだ」
「二つ名とは?」
「糞爺が与えた力だ。お前の【無】や私の【戦鬼】、有名なもので言えば、【憤怒】や【楽園】などがある。」
「この名はどんな力があるんだ?」
「さぁ。まだ見たことない名前だから分からない。」
「最後に俺の記憶はどこに行った?」
「記憶?」
「ああ、俺は何か大切な物を忘れている…そんな気がするんだ。」
「………すまないがそれはわからない。だが、少なくとも私にその様な感じは無いし、他の魔王からもそんなのは聞いた事が無い。だから魔王になったからそんな感じになったわけではなく、君自身の問題じゃ無いか?」
「そうか…すまない。助かった。」
「うん。それで質問はこれで終わりか?」
「…そういえば最初と話し方が変わっているようだけど何でだ?」
「ああ、それは君をあのまま放置していたら魂が崩壊して本能のままに暴れ回ることになったからだ。普段はこっちの話し方だ。時々あっちで話しちゃうけどな。」
と言う事はアシュラが殴ってくれなかったらやばかったのか‼︎
「アシュラありがとうな。」
「ああ。それより説明の続きをしていいか?」
「ああ頼む。」
「じゃあまずは、ダンジョンポイント(DP)についてだ。ダンジョンポイントとは、私たち魔王が生活するのに必要なポイントだ。このポイントがなかったらモンスターも生み出せないし、生活必需品も買えないし、何より迷宮を弄れない。」
ふむ、金みたいなもんか。
「ダンジョンポイントは侵入者が迷宮に入っている時や迷宮内で魔法を使った時、何かの死骸を吸収する時などに手に入る。質問は?」
「どうやってそのDPを使うんだ?」
「それについてはコレを使う。」
「コレ?」
「ダンジョンコアだ。」
「ダンジョンコア?」
「ああ、ダンジョンコアとは私たち魔王のもう一つの命みたいな物だ。これが壊されたら死ぬ。だから大抵の魔王は迷宮の奥に頼れる配下に守らせているんだ。」
「配下?」
「配下とはDPで召喚する魔物じゃなくて、一ヵ月に一枚配布される自分の二つ名のカードと自分以外の二つ名のカードを合成するとできる自分だけの特別な魔物の事さ。そして最初の一ヵ月に3体、そこから一ヵ月ごとに1体ずつ合計15体に付けられる真名を付けた合成魔物それを配下と呼ぶ。あと、カードは一度に二枚から三枚まで使えるし、2回まで同じ魔物に合成する事が出来る。」
「そんなのがあるのか。」
「どうせならもうやるか?」
「えっ。説明は?」
「説明ばっかりだと疲れるだろ。何かわからないことがあるなら何でも聞いてくれていいからな。」
「ああ。わかった。って俺、必要なカード他の人のはもちろん自分のカードもないんだが?」
「ああそれは手に力を溜めて『受け取り』と言ったら、ほら勝手に出てくる。ほら君もやってみて?」
そう言って、アシュラは力を溜めていた手に現れた【戦鬼】のカードを俺に渡した。
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【戦鬼】のオリジナルカード Aランク
このカードを使った魔物に戦鬼の特性を与えることができる。戦闘に関しては上手くいくがそれ以外の事は苦手になる傾向がある。
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「っておいっ。何で一ヵ月に一枚しか貰えない貴重なカードを俺に渡して来るんだ?」
「最初の魔物を作るにはカードが必要だろ?今回使う分は、また出してくれるらしいから気にせずやれ。」
うーんそれならいいか。
「わかったよ。ありがたく使わして頂く。」
「ああ是非そうしてくれ。」
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あとがき
誤字、脱字、おかしい所、他にもなにかがあ
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