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20:聖獣様とちょび髭

黒い髪にちょび髭姿、腰にはウェスタンっぽいベルトに拳銃…、ではなく剣が引っ掛かっている。

一見、どこにでもいそうなちょい悪な青年ってかんじ。

しかし彼には運がないのかマヌケなのか。

なんとなく恐れを感じさせない何かを持っている。

敵ながらに同情を示したい。

なんとなく、自分よりも不運な人を見た気がして嬉しかった。

俺、また頑張れそうだよ。





結局俺はソラを伴って、シュバート一家の本家に乗り込んだ。

国家の人間を頼ることはできない。

スルダニアルさんが暗にそれを教えてくれた。

シュバート一家の家長を国家が捕らえたら、俺はそいつから話が聞けなくなってしまう。

それはこの俺のミッションでは失敗となる。

カスティーダが「俺も行く!」と息蒔いていたが、俺はそれを丁重にお断りした。

カスティーダは確かに男らしいがっちりとした体型の持ち主だが、所詮は研究者。

武術なんてかじったことがある程度なのは容易に想像が付く。

ただでさえソラにとって俺という足手まといがいるのに、これ以上増やす訳にはいかない。

しかしもっと説得に困ったのが家に1人、ミムアがいた。

ミムアはとにかく「一緒に行きたい」の一点張り。

仕舞には泣き出すものだから、もうどうしていいか分からなかった。

「ケリア兄様が1人で危ない目に合うなんて耐えられない!しかもその原因がソラなんてもっと耐えられない!!」

結局ミムアの矛先はソラ。

子供らしい一面な気もするけど、相当の言い様だよね…。

でも注意する気にも怒る気にもならなかった。

キライキライも好きの内、みたいなね。

言ったらむくれそうだから言わないでおく。

結局ミムアが泣き疲れるまで、俺はミムアに捕まったままだった。

ごめんねミムア。

心配してくれてありがとう。

大丈夫。

ちゃんとソラと帰って来るからね。


ちなみに言うと、ピーナも行くと言い始めた。

理由が「奴らが稼いだ金をくすねてくるため」だそうだ。

突っ込みどころが満載なのだが、ピーナだから言わない。

後がめっちゃくっちゃ怖いから。

しかし断ったら断ったで拳が飛んできたんだけど…。

しかも2回。

せめて手は開いて欲しかった…。


そんなこんなで乗り込んだシュバート一家の本家。

怖くなかったといえばめちゃくちゃ嘘になる。

あのシュバート一家だよ?

千年に一度しか産まれない強大な力を持ったソラに、小さいなりとも傷を負わせたシュバート一家だよ?

しかも今回はその親玉がいらっしゃるところをわざわざ選んで突撃するんだよ?

怖いに決まっとろうがぁ!

やっぱりピーナあたりに着いてきてもらえばよかったかな…。

女に守られる図っていうのはかなり痛い光景だが、背に腹は変えられない。

つまり命は大事ってこと。

と言ってももう遅いんだけどね…。


そう思っていた矢先に出来事は起きた。

スルダニアルさんに教えてもらった場所まで、ソラの背中に跨りながら飛んでいた時だ。

ちなみに言うと、ソラが俺を背中に乗せて飛ぶという芸当ができるようになったのは、ほんの最近の話。

すでに大型犬の域を越えたソラは、今では成人男性の半分の大きさはありそうな程にまでなった。

後ろ足で立ち上がれば同じ高さになると思う。

昔はできた持ち上げる動作は、今じゃ逆転。

俺が持ち上げられている。

悲しいやら悔しいやら、親の気持ちがひしひしと感じられた。


それはさておき、ソラの背中で飛行中、道中である人影を見つけた。

そこはあまり人が近づくような場所ではないらしいから(シュバート一家の奴らに絡まれるせいらしい)、その人間はおそらくシュバート一家の輩なのだと解釈した。

その人間を人質にでもしたらうまくいくかも。

そんな軽い考えでその人の目の前へと着地。

黒髪でちょび髭のちょい悪風な青年で、腰にはウェスタンっぽいベルトに拳銃…、ではなく剣が引っ掛かっている。

そして俺たちを見てのその人が言った一言。

「なぜ俺様が家長だって分かったんだぁ!?」

えーとか、あーとか、うーとか。

とにかく微妙な驚きしか表現できそうもない。

またそれが嘘っぽくなさそうなのが痛いよね。

もうどんまいとしか言い様がないよ。

言わないでいてあげるのも優しさだろうと、言葉にはしなかったけど。

でもそれはないな。

自己申告はありがたすぎて哀れだ。

ごめんなさい。

あっさり俺たちの勝利を収めさせていただきます。


この新登場人物が誰なのか、分かる人には分かると思います。

なんてったってアンケートを参考にした(つかほぼまんま)人物なんですから。

だからこの人の悪口は一切禁止でお願いします(笑

この人の悪口が言えるのは、この人を提供してくださった方の「こんなん違う」というのだけです^^


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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