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15:聖獣様は完全回復

なんとまぁ…。

俺はこんなんしか縁がないのだろうか…。

つまり不幸。

守ってくれるのは嬉しいが、これはお門違い。

やりすぎ!

これ厳重すぎ!





この国は軍事力とは別に護衛専門の部隊がある。

その上位の者たちを騎士団というのだが、騎士団は総勢10人ほどの超エリート兵士である。

軍人であるための英才教育をまだ一桁の年齢の時から受けていると聞く。

今回俺やソラの護衛をしてくれることになったのが、この騎士団の者たちなのだ。


と、ここで「え?」と思って欲しい。

騎士団とはもともと王家のために設立されたものであって、一貴族のために動かしていい代物じゃないはずだ。

それを、だよ。

そんな大切な方々たちを、だよ。

2人づつ毎日交代で付けるってどういうこと!?

国家で守らなきゃいけないほど千年に一度の聖獣様は大事なの!?

もう国王様並みじゃん!

どんだけだ聖獣様!

その親ってどんだけだ俺!

実は俺ってすごい権力を持っているんじゃ…。

それよりも、その行動はそれ程までにして千年に一度の聖獣様を守らなければいけないということになる。

もしかしたら俺なんかはまだ知らされていないようなすんごいことが、このソラには隠されているのかも。

しかもそれを国家は知っている。

うーん。

俺の奥底の好奇心が疼いてきたみたいだ。


騎士団隊長、スルダニアル(通称スルー。名前から想像できるように大きくておじさん顔)と挨拶を交わした。

「話は伺っております。ケリア殿、でよろしいですな?」

け、ケリア殿…。

今「あぁ、俺って貴族なんだなぁ」と実感した。

今まで良くてさん付けだったし、ちょっとした優越感。

と言ってもソラはいっつも様付けなんだけど。

………あぁ…。

自分で思ってなんだが、今ちょっと傷付いた…。

「はい。えっと、ソラ共々よろしくお願いします」

と、病み上がりのソラと一緒に頭を下げる。

まぁソラは俺が頭を押さえつけただけなんだけど。


ソラは完全回復した。

シュバート一家のお兄さん方から襲われた二日後に完全回復を遂げた。

完全回復の言葉通り傷痕すらなくなっていた。

そのソラを俺のとこに連れてきたのがメガネの助手くんだったのだが、その助手くんは感心したように、

「体力の回復力がこれでもかと言う程にお早いようです」

と述べた。

お、おぉ…。

これはもしや千年に一度の聖獣様の持つ力なのでは?と一瞬思ったが、それよりも確証に近いことを俺は思った。

「ソラってもしかしたら寝溜めしてるのかも…」

まぁその寝溜めが出来るのも千年に一度の聖獣様の力なのかもしれないが。


話は戻ってスルダニアル。

スルダニアルはきょとんとした顔を覗かせた。

「ソラ、とは…?」

「え?」

何を今更…。

ソラと言ったらこの千年に一度の聖獣様しかいないだろう…。

「ピースアースでは…?」

………あぁ…。

はいはいはいはい。

ここは軽ーく流しましょう。


新しい兄妹たちが俺を迎えに来てくれた。

「ごふっ」

ミムアの高速タックルもご健在のようで。

「大丈夫だったかい?ケリア。とても心配したよ」

ウィーグルス兄さんが俺を上から下まで眺めながら言った。

まるで本当の兄妹みたいだ…。

か、感動…。

「ケガがなくて良かった」

マック兄さんもほっと一息ついた。

俺は本当に恵まれてる。

こんな優しい素敵な兄妹ができるんだ。

恵まれてるとしか言い様がない。

「まぁ男子たるもの、ケガができてなんぼだがな」

はっはっはー。

…まぁちょいちょい理解不能なんだけども。

「一時期はどうなるかと思ったけどなぁ」

とニヤニヤ顔のカスティーダ。

言いたいことはあるのだが、今回はよしとしておこう。

カスティーダには感謝もたくさんある。

「一回死ねば少しはマシになったかもね」

グサッ。

相変わらずバッサリ切るピーナ。

てかまだいたのか。

はっはっはー。

って全然笑うとこじゃないよウィーグルス兄さん!

「ぶっ」

「カスティーダも笑うなっ!」

いつぞやの逆転パターンだ…。

不幸不幸と思っていたけど、俺にはたくさんの人が周りにいる。

俺のことを大切に想ってくれている人たちがいる。

そして何よりも。


隣にはソラがいる。

多くの人がソラをメインに、俺のことを“その親”と言う。

最初はイヤだったさ。

そりゃもぅ。

でも最近はそうでもなくなってきた。

慣れもあるのだろうが、うまく言えないけれどそれだけじゃない気がする。


ソラの影でいよう。


そんなふうに思えるようになった。

それも周りのおかげなのかも。


しかし、だ。

俺が不幸になるのはこれからだった。




という訳で、これにて2章終わり。


2章完結いたしました。

とりあえず3章への伏線を貼らせていただきましたが…、大丈夫か自分;

とりあえず予定は組んでます。

といつものように予定は未定状態なんですが^^

少しだけ言ってしまうと、内容的には暗ーいものになると思います。

でもご安心あれ!

そんなのこの主人公が払拭するでしょうから!(他人任せ)

最後まで読んでいただきありがとうございます。

これからも聖獣様共々よろしくお願いします。

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