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血銀の十字架 ~神をも弑する刃となれ~  作者: 疾風 颯
第一部 第一章 リュックザイテの街からの脱出
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第六話 夕食と規則

 お待たせしました。

 セイルは夕食をカルテスエッセンで済ませることに決めた。

 カルテスエッセンとは『冷たい食事』という意味で、北の民の食事形態である。北の民は晩餐を豪華にせず、あえて手間のかけない料理で済ませることで、夜の時間に余裕を持たせている。


(その後話しておきたいことがあるからな)


 要するに、セイルは疲れたから手を抜こうと思ったわけである。夕食のあとで話したいことがある、というのは建前で、手間がかからないからそうしたいというだけである。しかしリーレは気を失ったままなので口をはさむことができない。

 セイルは数日前に買ったパンやチーズ、ハムなどを皿に載せていく。もちろん皿はセイルの分とリーレの分で分けて載せていく。今日はブランチで、昼食より早い時間に食べたので腹が減っているセイルは少し多めに盛り付け、それでもまだ足りなさそうなのでスープも作ることにした。


 十分後、スープの匂いにつられたか、リーレが目を覚ました。


「………」

「………。飯ができた。準備を手伝ってくれ」

「………手抜き?」

「北の方の文化だ。それに、一応これらは高級品だ」


 二人は食卓につき、静かに夕食を摂り始めた。セイルはそこまで話すこともないと思っており、リーレはまだ距離感が掴めていないようである。やらかしたあとなので気まずい、というのもあるだろう。


 そんなこんなで食事を終えたセイルはソファに座り、ベッドに座るリーレに、今日のこと、そしてこれからのことについて話すことにした。(背を向けた状態で)

 かくかくしかじかと、今日のことについて話したあと、セイルはリーレのことについて訊く。


「どうしてああなった?」

「………すみません」

「謝罪はいいから理由を話せ」

「……Gがでた」

「嘘つけこんなヤバい宿にそんなものが出てたまるか」

「………」

「はあ」


 セイルは溜息を吐いた。


「放出するのは禁止だと言った筈だ。好奇心は猫を殺す。考えて行動しろ」

「すみま――」

「謝るな。そんなものは俺には要らない。行動で示せ」

「………」

「幾つかルールを設ける。

 一つ、考えて行動しろ。

 二つ、嘘を吐くな。

 三つ、謝罪するな。

 これらを順守しろ」

「………分かった」

「ああ、そうだ。一つ伝え忘れたことがあったな」


 そう言ってセイルはリーレの方を見る。


「件の半吸血鬼(ダンピール)だがな、正体が分かったぞ、リーレ」

「……どういうこと?」

「まず、そいつはここの領主の三男らしい。この街から出た後、見つけられるかが懸念事項だったが、貴族なら情報を手に入れるのは難しくない。

 そして正体というのは、そいつが半吸血鬼ではない、ということだ」

「……?あいつは吸血鬼の能力を使っていた。半吸血鬼じゃないなら、何?」


 リーレの疑問はもっともである。一般的に、吸血鬼という種は下位(インフィリア)中位(ミディアム)上位(エルダー)超位(スペリオル)の四つから成る純種、下位・中位の眷属種と、半吸血鬼という分類になっている。

 吸血鬼の力は呪いで、種族と命の犠牲、そして数多の弱点を代償にその力を得ている。なので、これらの他にその能力を使えるはずがないのである。

 しかし、それは一般的にというだけであり、全容というわけではない。


「それは、吸血伯爵(ドラキュラ)だ」

 下位のルビを《レッサー》から《インフィリア》に変更しました。

 『カルテスエッセン』はドイツの食事形態ですね。私はドイツには行ったことがありませんが、いつか行きたいと思いますね。

 これまで混迷を極めていたリーレさんのキャラ付けですが、これからは無口キャラ的な役になりますかね。

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