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第32話 第二章始まり

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!


年末忙しくて中々更新できなくて申し訳ありません!


32話です!

そして、一応新章スタートです!

 白銀学園襲撃事件から3日が過ぎた。


白銀学園から何人かの原石や重要人物が姿を消したということ以外は何事もなく、平和な日常が戻っていた。


そして、僕は終業式を迎えていた。




「いやー、これで今年も心に会うのは今日が最後かな。」


僕は速水と屋上で話していた。


「そうだな。速水には感謝してるよ。」


「……なあ、心。俺は何があってもお前の味方だ。お前が何と戦って、何をしてるのか俺は知らないけど、どんなときもお前の味方だからな。」


速水は突然いつものふざけた感じとは違って真っ直ぐに僕の方を見てそう言った。



「そっか…。速水、これからもお前を頼ることになるかもしれない。まだ、僕がやってることについて話すことは出来ないけど、来年も僕の力になってくれるか?」


速水の真剣な言葉に答えるように僕も速水にそう言った。


「ああ。じゃあな、心。」



速水はそう言って屋上を後にした。




なんで速水は急にあんなこと言ってきたんだろう?


まあ、気にしても仕方ないか!


さーて、僕も屋上から出ようかな。


僕がそう思った時、僕の携帯に誰かからメールが来た。


メールは優理から来ていた。


僕に会って話がしたい。


校門の前で待ってるといった内容だった。



僕はメールで分かったとだけ送って、すぐに屋上を後にした。




校門の前まで行くと優理がいた。


「あっ。心君。」


「久しぶり、優理。」


「うん。久しぶり?でいいんだよね…。」


優理の歯切れの悪い返答に少し疑問を抱きながらも気にせずに会話をしていく。


「今日は話がしたいって言ってたけど、どこで話すつもりなんだ?」


「うん。じゃあ、私たちの家の近くの公園でいいかな?」


「僕はいいけど、優理は寒くないのか?」


「うん。じゃあ、行こっか。」



僕らは他愛もない話をしながら公園に向かって歩いていった。


ただ、僕の話に対して優理はどこか上の空で曖昧な返事ばかり返してきた。


そして、公園について僕と優理は公園のベンチに座った。



「それで話って何なんだ?」


「うん…。心君は白銀学園が何者かに襲われたって事件知ってるかな?」


「ああ、有名な話だからな。」


「それでね、心君はその日何をしてたのか教えてもらっていいかな?」



なるほど…有本さんから僕を治癒してくれたのは優理だって聞いてたから、シンが僕ではないかって疑ってるのか。


だが、こんな時のために言い訳は既に用意してある。


「その日は速水の家にお泊まりして、速水と遊んでたよ。速水に確認して貰えば分かると思うよ。」


「そうなんだ…。」


優理はそう言って少し考える素振りを見せた。


「ところで、なんでそんな事聞いたんだ?」


「少し確認したい事があったんだけど、違ったみたい。ごめんね?急に変なこと聞いちゃって。」


優理は少し申し訳なさそうな顔をしながらそう言った。



「そういえば、白銀学園襲撃事件のとき優理は大丈夫だったのか?」


「うん。私は、大丈夫だったよ…。」


そう言った優理の顔は悲痛なものだった。


私は…?


誰か無事じゃない人がいたのか…?


「何かあったのか?」


「…ううん。なんでもないよ。帰ろっか。」


そう言って優理はこちらに顔を向けずに立ち上がった。


僕は黙って優理について帰り道を帰っていった。


優理は寮が先の襲撃事件で半壊したこともあり今日は実家に戻るみたいだった。


帰り道は会話はほとんどなく、優理はずっと険しい顔をしていた。


僕はそんな優理を見て、ただただ黙ることしかできなかった。






優理と話し合った日から三日が過ぎた。


明日は美月さんとのデートか、なんて僕が思いながらぼんやり過ごしていると突然美月さんのお爺さんから電話がかかってきた。


「はい、心です。」


「心君か!?迎えを君の家の近くに送っている。すぐに車に乗ってF.Cまで来てくれ!!」


電話の中からは切羽詰まったお爺さんの声が聞こえてきた。


「何かあったんですか?」


「説明してる時間はない!とにかく早く来てくれ!」


「分かりました。」


僕は準備を整えてすぐに家を出た。


迎えの車は既に家の前に来ており、その車に乗って僕はF.Cに連れていかれた。


そして、美月さんのお爺さんの部屋に急いで入ると中には中学生くらいの女の子と美月さんのお爺さんがいた。


「おお、来たか心君。」


「はい。それで、一体何があったんですか?」


「…美月が政府に捕まった…。」


お爺さんは沈痛な面持ちでそう言った。



「え…?…どういうことですか?」


美月さんは金の異能力者で政府の助けになることをしていた。


捕まるなんてあり得ないはずだ。



「詳しいことは儂にも分からんのだが…。」


お爺さんの話を聞くに、先日、戦鬼を収容していた拘置所に美月さんの姿があったらしい。


そして、美月さんが拘置所から姿を消した後、戦鬼の異能力が失われていたらしい。


それによって、美月さんが戦鬼の異能力を奪ったのではないかと疑われているみたいだった。



「それなら、確認が取れれば美月さんは解放されるんじゃないんですか?」


「儂も初めはそう思っとった。事実、美月はそんなことをしていないと言っていたし、証拠も監視カメラの映像しかないからな。だが、どうやら美月がやったかどうかはもはや政府には関係ないらしい。」


関係ない…?


どういうことだ?


「それはどういうことですか?」


「以前、心君が政府側に裏切り者がいるかもしれないと言っただろう。恐らくはその裏切り者が儂らF.Cの権威を失墜させようてしている。最近、儂らは裏切り者を探していたからな…バレてしまったんだろう。」


「じゃ、じゃあ!お爺さんも危ないじゃないですか!?」



僕が焦った声でそう言うと、お爺さんは静かに頷いた。


「それなら、僕が美月さんを拐えば…!」


「いや、それはダメだ。もし、そうすれば儂らだけでなく心君の立場も危なくなる。」



くそ…!


待てよ…。裏切り者を見つけることができればいいんじゃないか…?



「…お爺さん。もし、裏切り者を見つけることができれば状況は変わりますか?」


「そうだな。…心君、まさか…?」


「そのまさかです。シンがやります。」


F.Cにはたくさんお世話になっている。


それに、美月さんとのデートの約束もあるからな。



僕が決意を固めていたその時だった。


お爺さんの横にいた女の子が急に僕の裾を引っ張って話しかけてきた。


「あ、あの…。」


「ん?」


「あ、あなたがシンさん…?ですか?」


すっかり忘れてたけど、誰だこの娘?


「えーっと…。君は誰かな?」


「わ、私は有本佳奈(ありもと かな)です。あの、お父さんが行方不明なんです!助けてもらえませんか?」



な、なんだこの娘?


急にお父さんが行方不明って言われても、僕はそれどころではないんだけど…。


って、待てよ…?


有本って、もしかして有本さんのことか?



「ねえ、君のお父さんはもしかしてこのF.Cの研究員の有本さんかい?」


「は、はい…。そうです…。」



有本さんが行方不明?どういうことなんだ?


僕がお爺さんの方を向くと、お爺さんはこのことは知っていたようだった。


「その娘が言ったように、有本は行方不明らしい。先日、儂のとこにも退職届が出されていた。」



有本さんが行方不明で、美月さんは政府に捕まっている。


この二つは無関係か…?


この間の優理の雰囲気からして、白金学園での事件も何かがあったみたいだし…。


何かがある。


僕の知らないところでまた大きな事件が起きようとしている。



思えば、白金学園襲撃事件の始まりは美月さんに初めて出会ったあの日からだった。



もしかして、今回の事件の鍵はこの娘が握っているのか…?



いや、さすがにそんな漫画みたいな話……ないとは言い切れない…!!



一度、その可能性を思い浮かべてしまうともうダメだった。


僕には目の前の女の子が超重要人物にしか見えなかった。



「あ、あの…。それで、助けてもらえるんでしょうか…?」


有本さんの娘の佳奈ちゃんが恐る恐るそう聞いてくる。



やるしかないな。


有本さんにはなんだかんだいってお世話になってるもんな…。


「ああ。助けよう。あの人には僕もお世話になってるから。」


僕がそう言うと佳奈ちゃんは顔をパァッと明るくさせた。


「ありがとうございます!!」


僕は佳奈ちゃんのお礼を受け取った後、お爺さんと向き直った。


「お爺さん、今回のことは多分ですが、全て繋がった一つの事件だと思います。少し時間はかかるかもしれませんが必ず解決するので待っていてください。」


「ああ。儂らも出来る限りのことはする。心君に任せてしまうのは心苦しいが頼んだぞ。」



僕はお爺さんと握手して、F.Cを後にした。




誰だか知らないが僕の大切な人たちに手を出したんだ。


きっちりやられた分はお返ししないとな。


僕は手を夕日に突き上げて、家への帰り道を歩き始めた。


年始も忙しいので更新が中々できないかもしれませんが見ていただけると嬉しく思います!


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