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最初のページ

物語の始まりというのは唐突である


きっと物語の中の人物は物語の始まりに気付きはしない


すべてが終わって初めて始まりに気付くのだ


これはとある青年の手記の最初のページ


あえて青年の物語の始まりを定義するならば


やはりここがふさわしいだろう


手記にはその時の青年の鼓動や焦燥、困惑、絶望そして希望が記されていた。


物語のような日々が物語でなかった証拠として


あえて物語として語ってゆく



抜粋 最初のページ



―― そっちに行ったぞ!


―― 探せ!


―― 遠くへは行っていないはずだ。反対側からも回り込め!



 どうする、どうすればいい。


 運河に沿うように立ち並ぶ倉庫群で身を隠しながら、ただただこの先どのように逃げるのか、そればかりを考えていた。

数時間にも及ぶ男たちとの鬼ごっこは、おそらく“今”を切り抜けたところでずっと続いていくのだろう。


「っぁんで、なんでこんな事になったんだよぉ」


思わず泣きごとも漏れる。数時間前は、今日も昨日と変わらない退屈で、平凡で、それでいて幸せに満ちた1日になると信じて疑ってもいなかった。




抜粋 終了





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