動き出す時間〜after side〜
「はぁ…、疲れた」
まさか朝からあんな面倒なことに巻き込まれるとは思ってなかった
俺は性格上どうしてもああ言うのを見てしまうと放っておけない
「だからって…、はぁ…。まさかうちの学校の生徒が痴漢されてるとは」
何となく制服の感じからしてうちの学校の生徒だとは思っていたが、大丈夫だと思うが思いっきり素の方で痴漢に話をしてしまった
「はぁ…、大丈夫だとは思うが、あの女、他の奴らに余計なことを言ってねぇといいけど」
誰もいないので今の独り言は聞かれていないと思う
学校では優秀でお優しい生徒会長様を演じていなくてはいけないため、かなり人目を気にする
外で、素の俺を見てもよく似た人、そうでなかったら兄弟や親戚だと思われるだろうし、例え聞かれたとしても俺もそう答える
決して自分だと言うつもりは無い
「あー、めんどくせ…」
そんな独り言を小さく呟き、すぐにお優しい生徒会長様を演じる
「おはよう、みんな」
笑顔で優しくみんなに声をかける
全員、返事を返してくる
はぁ、今日もまた、面倒で変わり映えのない1日が始まる、そう思ってた
まさか、こんなにも大きく俺の世界が変わるなんて思ってなかった
止まっていた歯車は大きな音を立てて、 狂ったように回り出す