出会いは突然で
「やばいやばい、急げぇー!!」
私は大急ぎで駅までの道を駆け抜ける
「はぁ、はぁ、やった!!間に合った」
駅までの道を全力疾走して来たおかげで、何とか間に合った
これで、遅刻せずに済みそうと思っていたのもつかの間、電車の発車時間まで後3分!?
「嘘ぉ!?また走らないと!!」
大急ぎで改札を駆け抜けて、ホームまで行く
ちょうど電車が滑り込んできて、私は慌てて目の前の車両に飛び乗る
「はぁ、ま、間に合ったぁ」
どっと息を吐き、発車するのを待つ
すぐに発車のベルが鳴り響き、電車が動き出す
「う、うう、い、意外に人が多い。まさか、満員になるなんて」
私は扉に手をついて何とか体制を維持する
?
何だろう、お尻の辺りが変な感じがする
「はぁはぁ…」
こ、これって、もしかして痴漢!?
嘘、私痴漢されてる!?
分かってしまうと気持ち悪くて仕方がない
でも、今手を離したら間違いなく痴漢と密着しちゃう
「へ、へへ、はぁはぁ///」
なおも痴漢は手を動かしてくる
ど、どうしよう…
どんどんエスカレートしてる
嫌だ、気持ち悪い、誰か!!
「おい、何やってるんだ、アンタ」
「ぇ…」
すぐ近くで、すごくよく通る、そしてとても綺麗な声が聞こえた
「な、何のことだ」
「しらばっくれんな。この子に痴漢、してんのバレバレ」
そろそろ顔を上げると、生徒会長様!?
私は軽くパニックになってしまった
だ、だって!!あの生徒会長様の綺麗な顔がこんなに近くに!
「で?今ここで警察でも呼ぼうか?」
「ぐ、ぐう…」
「ほら、さっさと行けよ」
生徒会長の冷ややかな声に痴漢していた男は大人しく何処かへ行ってしまった
そのまま生徒会長も何処かに行くもんだと思っていたら、生徒会長が私の顔の横に手をついて、私の後ろに立っちゃった!!
「!?!?」
「大人しくしてろ、学校までこのままで行ってやるから」
きゃー!!生徒会長様が私を守ってくれるなんて!!
すごく嬉しい!!
けど、は、恥ずかしくて死にそうだよ
生徒会長への気持ち、気づかれないといいな…