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EXTRA第十話 男に片腕折られたガードマンの求める労災代わりの報酬(ry

※今回はサブタイ長くて入り切らなかったので、本文にて提示しておきます。


EXTRA第十話 男に片腕折られたガードマンの求める労災代わりの報酬『この仕事ハード過ぎるからもう一人自分のような強い者を新しく雇い入れて欲しい。例えばそこの、この自分の片腕を見事壊してみせた男とか』


※ここから下六行目から本編始まります。

「貴方にも何か報酬を払うべきか迷うところだけれど、貴方は挑戦者側では無かったのだし、そういう少々無理やりなのは嫌なたちよね」


「ええ。お嬢様。流石でございますね」


「だから、貴方には、労災に色をつけて渡す、ということにしようと思うのだけれど、どうかしら?」


「お嬢様、貴方はそういうところが、糞お嬢様なんですよ……。そこまで分かっていて、あと一歩、変なところで外すんですから」


「ごめんなさい……。説明、お願いできるかしら……」


 しおらしく彼女はそう言った。それを聞いて鉄壁は普段なぞよりもずっと丁寧に説明を始めた。


「この左腕、全治2ヶ月というところでしょう。後遺症が出るか出ないか際どいところです。……、恐らくは大丈夫でしょうが」


 彼女が見せた不安な表情に反応し、鉄壁はそう言い直した。まだ彼の説明は続く。


「お嬢様の十全たる警護要因が私だけというのに、これは大変不味いことです。それはお分かりかと思います。それに、私に今回問題が残らなかったとしても、私の代わりは幾人か用意しておかないと、私が急に病気とか交通事故でぽっくり逝かないなんて保障は無い訳です。となれば、もう分かるでしょう? 私の代わりの人員ですよ。それが絶対必要になります」


「えぇ、そうね。ごめんなさい」


 しおらしく少女は謝る。普段なら出る、会話の先読みによる強引な展開進めを少女が行わないのは、普段とどうも具合が違って、鉄壁には少々やりにくかった。それでもそれが悪いことではなく、歓迎すべきことだと分かっているのだから、余計にやりにくかった。


「これは、未来にそういった人材を早めに探せばいいと言っているのではありません。今すぐ、と言っているのですよ。そうしなければ、私は休めないではないですか。少なくとも今から約2ヶ月は休養が必要です。それに、怪我が治った後のこともあります。偶には私も羽根を伸ばしたいのですよ。遠征もここ数年全くできてませんし。強者と血滾らせたいのですよ」


「……。善処するわ。即済ませられる用件じゃあないから。でも、私はこの件。手を抜かず、できる限り早く、片づけるわ」


 すると鉄壁は、


「はは、お嬢様。らしいようでらしくないですね」


 そう言って笑い、


「普段の貴方なら、この場できっと、こう言うでしょう」


 急に男の方を振り返った鉄壁は、


「『あぁぁ、そうだわ、そうだわ! クラウンが連れてきたそこの男。知と暴を持ち合わせたそこの筋肉達磨。貴方よ、貴方! 貴方、今日から私の側近になりなさいな。待遇も報酬も、貴方の希望に限りなく沿うように計らったげる。だから今この場で、首を縦に振りなさいな』」


 男を指差しつつ、ハスキーな感じの作り声で、普段の少女であれば間違いなくそう言うであろう台詞を演じてみせた。

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