第二十二話 リミット3 無人ビル第六+半層
「くそぉ、はぁ、はぁ、はぁ……」
男は片膝をついて、七層への階段の踊り場で息をあげていた。
「だ、旦那ぁ……時間がぁ、時間がぁぁ……」
「分かって……いる。あと3分切った。はぁ……。仕方あるまい、はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁあああああ! ういしょっと」
「旦那ぁぁ、何する、おつもりでぇぇ?」
男はピエロを担ぎ上げていた。
「おい、ピエロ。チェックメイトはお前が掛けろ。俺はここのたった一人、先への道を遮るように立っているあの達人ガードマン一人すら無理やり突破はできん。だが、力は拮抗している。抑えることくらいは可能よ。ということだ。お前を投げ飛ばす。一応阻止はするが、掴まれんように、上手いことよけろよ。で、上手いこと着地して、走り抜けろ。ちらっと見えた限り、この先は一本道の長い廊下。先に部屋は一つしかない。後は、お前が、何とかしろ」
そうやって男は小声でピエロに説明し、
ダダダダダダ!
階段を駆け上った。
そして、一度ガードマンの方に向けて投げるフェイントをしてそれから左上に向かって、投げる。
ガードマンがホールドしようと伸ばす手は、ピエロの脇腹を引っかくだけに留まり、空を切る。
すかさず男がタックルし、ガードマンをタッチダウン。そして、男は叫んだ。
「いけぇぇぇえええええええええええ!」
スタタタタタタタタ!
そうしてピエロは、やけに豪華そうな木製扉までの50メートルの距離を走り抜け、扉に手を掛けた。




