第十八話 何から何までおかしい……
「なぁ、ピエロ。おかしくないか?」
そう男が尋ねると、
「おかしいって、俺の恰好のことじゃないですよねぇ……」
ピエロがそう返す。ピエロは確かに変な恰好をしている。道化師の服を着て、顔は白塗り。そして、とんがり帽子に、トランプのスートのメイク。どう見ても変質者でしかない。
だが、それは二人の主題ではなかった。
「このバイトのことだ。最初から今に至るまで、手が込み過ぎている、掛かり過ぎている。例えば、さっき俺たちがいた体育館。あの周り半径1キロ範囲の無人化+完全封鎖。少し都心から外れた郊外だったとはいえ、どんだけ金掛けてるんだろうな。そういう趣旨の実験だとしても一体どれだけ予算がいる? 最悪、全員脱落の目もあっただろうに」
「あ……」
「つまり、狙いは他にあるってこったぁ」
「何ですかぃ? それは? その感じだと分かってるんでっしょね、旦那ぁぁぁ」
「……、分からん」
「ですかぃ……」
「奴らの本当の狙いも、俺たちに待ち受けている報酬も、何もかも、分からん……」
「えぇぇ……」
「仕方無いだろうが。情報が足りなさすぎる。何とかしてこの後、主催者まで辿り着いて直接聞くのが一番手っ取り早いだろう。スタッフたちの様子からして、主催者サイドの者たちもほぼ全て、事情を知らんだろうことは明白だからな」
そうして、アナウンスが流れるまで、男とピエロは黙りこくり、お通夜のような無音の時間を過ごした。
それはさながら、嵐の前の、静けさ。
ブゥゥッ――――!
そうして、最後の波乱が始まる。
「なぁ、ピエロ。おかしくないか?」
そう男が尋ねると、
「おかしいって、俺の恰好のことじゃないですよねぇ……」
ピエロがそう返す。ピエロは確かに変な恰好をしている。道化師の服を着て、顔は白塗り。そして、とんがり帽子に、トランプのスートのメイク。どう見ても変質者でしかない。
だが、それは二人の主題ではなかった。
「このバイトのことだ。最初から今に至るまで、手が込み過ぎている、掛かり過ぎている。例えば、さっき俺たちがいた体育館。あの周り半径1キロ範囲の無人化+完全封鎖。少し都心から外れた郊外だったとはいえ、どんだけ金掛けてるんだろうな。そういう趣旨の実験だとしても一体どれだけ予算がいる? 最悪、全員脱落の目もあっただろうに」
「あ……」
「つまり、狙いは他にあるってこったぁ」
「何ですかぃ? それは? その感じだと分かってるんでっしょね、旦那ぁぁぁ」
「……、分からん」
「ですかぃ……」
「奴らの本当の狙いも、俺たちに待ち受けている報酬も、何もかも、分からん……」
「えぇぇ……」
「仕方無いだろうが。情報が足りなさすぎる。何とかしてこの後、主催者まで辿り着いて直接聞くのが一番手っ取り早いだろう。スタッフたちの様子からして、主催者サイドの者たちもほぼ全て、事情を知らんだろうことは明白だからな」
そうして、アナウンスが流れるまで、男とピエロは黙りこくり、お通夜のような無音の時間を過ごした。
それはさながら、嵐の前の、静けさ。
ブゥゥッ――――!
二人は、放送機器のノイズ音に反応し、身構えた。
そうして、最後の波乱が始まる。




