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第十三話 ドロップアイテム

「旦那ぁ、悪役っぽく恰好つけて笑ってないで、解説してくだせぇよぉ」


「何、簡単だ。あれはなぁ、リタイヤ前にPCを他の参加者に売り付ける交渉をしているのだ、たぶん、な」


「旦那ぁ、俺、金なんて、持ってねぇですぜぃ……」


「心配するな、俺も、だ」


「何言ってるんですかぁぃ……。たらたらしている間に俺たちのライフ、削られていってんですよぉ……」


「周りを見てみろ。いや、違う。そっちじゃない。あの売り逃げ野郎に向かって走っていく奴らじゃあない。もうバッテリーを奪われてどうしようもない奴らだ。ほら、どんどん連れていかれてるぞ、はははは。ドロップアイテムを残して、なぁ」


 大量に転がる、バッテリーを抜かれたノートPC。


「あれが、何だって……言うんですかぃ……」


「バッテリーの切り替え。その際、確実にPCの電源は落ちる。つまりぃぃ?」


「あぁぁあああああああ! そうかぁぁ、ぜ……――ぐもぉぉ」


 男はピエロの口を塞ぎ、にやりと笑い、囁く。


「ばれちまうだろうがよぉ。ひっそりひっそり、あれらを集めてくるだけでいい。俺がやると目立つ。お前がやれ。もうちょっとしたらなぁ。もうちょっと経てば、ここの殆どの奴らが、外へ向かう。必要な量のバッテリーを得る為にな。そんなものが外にあるという保証もねぇというのによぉ。で、必須なのはバッテリーだけじゃねえ訳で、少なくともここにいる奴らで、それに気づいているのは、今のとこ俺とお前しかいない。なら、後は簡単だ。バッテリー何ぞ、確実に確保できる。この場所に転がる、大量のノートPC本体があればなぁ。場合によっちゃぁ、バッテリー確保だけに留まらず、一儲けできる。ほら。予想に難くないだろう?」


 そして、ピエロもにやりと笑った。

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