表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/36

第十二話 再収集

「生き残りの皆様、おめでとうございます。流石に、運だけで、筋力だけで生き残っているなんてバカはもういないでしょう。ここからが本番です。形だけのバイトの始まりです。貴方方の机の上のノートパソコン。それが貴方方の仕事道具です」


 男は、他の部屋の生き残りたちと共に、別の場所へ再び集められていた。体育館のような場所であるようだが、それの所在地は不明。


 あの後、目隠しされて、男は運ばれたからだ。他の生き残りたちも同様であるようで、周囲で話し声がちょこちょこ上がってはいるものの、誰も彼もが同じような話題の話をしていた。


 先ほどの暗室とは違い、体育館は明るかった。カーテンは閉め切られているが。






 男は自身の元へ寄ってきたピエロと小さな声で話をしつつ、アナウンスを聞いていた。


「旦那ぁ、どうしてこんなに手が込んでるんですかい?」


「俺にも分からん。一つ分かるのは、実験対象者の数が、主催者側の目論む数まで減ったということだ。凡そ100人というところだろうな」


「そ、そんなに減ってたんですかい……?」


「正直まだ断定はできん。他の場所にも分けて生き残りを集めている可能性は潰えておらん」


「へ、へぇ……、そうですかい」


「そんなことより、次の策を考えておいた方がいい」


「といいあすと?」


「これだ、これ。このノートPCだ」


「それがどうしあしたか?」


「未だ気付いとらんのか……?」


 ピエロは考え、考え、自身なさげに答える。


「時間が経ったら、壊れるウイルスでも、仕込まれてるんですかい……?」


「ある意味当たっている。時間が来たら使えなくなるというところはな。アナウンスが終わったらその答えを教えてやる。もう少しだけ、頭を捻ってみろ」







 アナウンスが終わった途端、


「寄越せや、寄越せぇぇ、バッテリー寄越せぇぇ」

「予備のPC頂くわよ」

「外へ避難、その辺の店デバッテリーの確保だぁぁ」


 等々、大量の声とバタバタ音が行き交う。


「答えは、バッテリー。どう考えてもこれだけで保たんだろうが。ACアダプター無しではなぁ」


「じゃあ、旦那ぁ、早いとこ確保しないとやばいんじゃ……」


「なことはない。ほら、見てみろ、あれを」


 男が指を指した先。そこには参加者の一人が、係員に何か話し込んで、交渉しているようだ。その周りには、主催者が用意したのであろう、やけにガタイのいい係員数人が、守るようにその参加者と、交渉相手たる係員を囲んでいる。囲む係員たちの服には、『私たちを攻撃したら失格となります』と書かれている。


「何から何まで、いつもの24時間バイトとは違うということらしい。はは、はは、ふははあはは、はははははははは!」


 男は愉悦に塗れるように、魔王の如く低い声で、荘厳に笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ