8話
4日ぶりの投稿…
テスト勉強してたら出来ませんでした。すみません。
“貴様は馬鹿か馬鹿なのか?”
店の中から痛みを我慢するような少し震えた声で俺を貶してくる。
と言うか、馬鹿とか失礼だな。最初の会話で察してくれよ。
「悪かったな。後次に俺の事を馬鹿とか言ったらこの扉蹴り破って殴るからな」
と、声を低くしてドスを少し効かして言うと黙った。
“まぁいい。中に入れ。貸してやるから”
と、鍵を開ける音が聞こえた。
いや、施錠って…お前、接客する気があるのか?
そんな事を思いつつも、扉を開けて中に入る。
「ようこそ。チャーリーのアトリエへ」
中に入るとカウンターのような所の前にアフロで前が開いているよく分からない服を着たサングラスがよく似合う変人が居た。
俺、来る店間違えたかな。そうに違いない。
さっさと外に出よう。
「すんません。間違えました」
振り返り、ドアノブに手を掛けてドアを開けようとする。
「まぁ、まて。そう直ぐに帰ろうとするな。一緒にお茶しようぜ?」
と、いつの間にか俺の横に来て、俺の手を掴んでいた。
「まずその手を放せ。殴るぞ」
また少しドスを効かして言うと変人は「怖い怖い」と少し笑いながら言い、言われた通りに俺の手を放してくれた。
仕方ないから変人に向き合う。
「で?お前は誰だ?」
「俺か?俺はこの店の店主をしているロドリゲスだ」
ロドリゲスと名乗った変人だが…だったら何故店の名前がチャーリーのアトリエ何だ?
変じゃないか?こいつは変人だが。
「その顔は俺の店の名前に疑問を持っているな?」
心を読まれて少しビックリした。今回が初めてだからだ。
俺はいつも、人に何を考えているのかとか心を読まれないようにしてきた。そうじいちゃんにも教わったから。
だから俺はちょっとビックリして顔に出てしまったようだ。
「どうやら図星のようだな。」
「あぁ、まぁな。それで何でなんだ?」
開き直ることにした。読まれてしまったものは仕方ないし、別に困ることじゃないから良いだろう。次に気を付ければいいだけだ。
「と言っていも、単純な事で、俺の妻が経営している店だからだ。俺はその代理だ」
「へー、女性なのにチャーリーって珍しいな」
「正確にはそれは愛称で名前はチャロット・リーナだけどな」
そうなんだ。いらない情報どうも。
それと調合キット早く貸してくれないか?早く、調合始めたいんだが。
顔にも声にも出さないが、俺は聞いてもいないのに話始めたロドリゲスの惚けを聞き流しながらそんな事を思っていた。
いつまで続くんだろうか?この話。
30分話してやっと満足したのか満ち足りた顔をしてやっと惚け話をやめてくれた。
校長の話くらい、どうでも良くてそして長かった。
途中寝そうになっても「聞いているのか」って耳元で騒ぐから寝ようにも寝れないから校長の話より質が悪いな。
あと、アルト並みにめんどくさい。
「と、そう言えば調合キットだったな。悪いな長い話に付き合わせてしまって」
ロドリゲスが謝ってくるが俺は「気にしてない」と言った。
ロドリゲスは「ちょっと探してくる」と言って店の奥に入って行った。ロドリゲスが帰ってくるまでの間何してようか?
と、考えてから店の中を良く見てなかったな、と思い。店の中を見ていくことにした。
店の中は外装は少しアレだが中はしっかりとしていて、色々な物が置いてあった。
ポーションとかハイポーション、解毒薬、に毒薬、忘却薬とあった。
って、忘却薬って何だ?
もしかして、忘却草から作ったのか?鑑定してみよう。何か変わっているかも知れない。
〈忘却薬〉
この薬を飲むことによって斜め40度で明後日の方向を見ながら遠い目をする。要するに無防備になる。
その隙に後ろから攻撃しよう。
※ 効果時間は15分です。
説明意味が意味わからないし、忘却はどうした?
言っては悪いが、これを作った奴絶対にアホだろ。
軽くため息を付いて忘却薬を棚に戻して店の中の探索を再開する。狭いけど。
その後も少し店の中を見ていって、自分が欲しいと思う物があまり無かったなと思った頃に調合キットを片手に俺の所にロドリゲスが戻って来た。
「悪い。待たせた」
ロドリゲスは俺に謝ってから調合キットを渡して来た。
〈初心者調合キット〉
調合が出来るようになります。
今度の説明は短いな。しかも当たり前の事だし。
意味が分からないよりはマシだけどな。
「ありがとう」
「なに、それで俺の課題をクリアしてくれ」
ロドリゲスは笑いながらそう言った。言われなくてもそのつもりだ。
最初は調合キットに金が掛かるのかな?と懸念していたが、ただで貸してもらえたからよしとしよう。
ロドリゲスと別れてから俺は素材を集める為にまた遇者の住む森に行くことにした。
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遇者の住む森に来た俺は今度は敵と戦わずに【隠密】と【気配察知】のレベル上げもついでにするために隠れながら素材集めをした。
必要になったら戦闘もするが必要無い時は極力避けることにした。
30分たった今では、薬草が20個、上薬草が5個、火薬草が5個、とまぁまぁ採れた。
ハイポーション作る為にもこれではまだ心もとないからもう少し上薬草を集めることにする。
【調合】のレベルも低いしな。失敗もよくするだろうから余分に持っていないといけないし。
因みに【隠密】と【気配察知】のレベルがそれぞれ4ずつ上がっていた。
スキルのレベルも上がり、素材も沢山採れて俺は満足だ。
と、ここで【気配察知】に数人の人の気配が引っ掛かる。多分だがプレイヤーだろう。
まだアルトたちのしか見たことないから他のプレイヤーのパーティーはどうなっているのか少し気になるし見に行って見ようか?
いや、やっぱりいいや。今はそんな事より素材集めが先だ。
ここからだとまだ100メートルくらい離れているし、直ぐに離れれば気付かれずに済むだろう。
と、考えて場所を移動しようとしたところにそのプレイヤー?の後ろからゆっくりと近付く気配が数人引っ掛かった。
最初はなんだったのか分からなかったが、少ししてPK…いわゆるプレイヤーキルという言葉を思い出した。
そして、俺は素材集めを一端やめて、そのプレイヤー?たちの居るところに行った。
それにプレイヤーじゃないかも知れない。
ここでふと、俺はロドリゲスの会話を思い出した。
基本は聞き流しているが、ちゃんと聞いている部分もあるからな。
『そうそう、チャロットは今は護衛を数人連れて遇者の住む森で素材集めをしているんだよ』
ロドリゲスはそんな事を言っていた。
もしかしたら、この人たちはプレイヤーではなくてチャロットたちじゃないのか?
もしかしたら俺の考え過ぎかも知れないが、なんだか嫌な予感がするんだ。
だから俺は確認も含めてそこに向かう。
走ること数分、俺が見たものは…
護衛らしき人物に守られている怪我をした女性とその護衛と戦っている盗賊のような格好をした人達だった。
それに、護衛の方が劣勢だった。
ピコン
そんな電子音が聞こえて、メニューの横にメールのようなマークがあった。
それを開いてみると…
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緊急クエスト
〈ロドリゲスの妻とその護衛を救出せよ〉
チャロットとその護衛を助けるべく、盗賊たちを全員倒せ!
0/30人
成功条件 盗賊たちの殲滅
失敗条件 チャロット及び、その護衛の死亡
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と、書いてあった。