4話
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日刊ランキング90位!?
ジャンル別ランキング4位!?
こんな拙い作品がランキング入りしたのも読者の方々のお陰です。ありがとうございます!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
取り敢えず固まっているアルトたちをほっといて、俺はスキルレベルが上がっていないか確認した。
【体術】lv18 【錬氣】lv27 【瞑想】lv7 【並列思考】lv10 【気配察知】lv13 【隠密】lv5 【身軽】lv24 【調合】lv1 【鑑定】lv8 【採取】lv7
さっきの戦闘で使っていたスキルのレベルがだいぶん上がっていた。
【並列思考】も格下の相手だったから積極的に使った。そのお陰で実戦でも使えるレベルになった。
これからも積極的に使っていって、レベルを上げないとな。
と、ステータスを見てこれからのことを考えているとアルトたちがやっと我に帰り俺に詰めよって来た。
「おい、ユリウスさっきのは何だ!?」
「何って…お前が見せてくれって言うから俺の戦いを見せただけだが?」
何言ってんだ?こいつ。見たいな感じで呆れたような顔でアルトを見た。
「そういうことを言ってるんじゃなくて、どうしてお前は素手でウッドパペットを一撃で倒せるのかって聞いてんの!」
「何でって…出来たから?」
「普通は出来ないから聞いてんの!」
アルトによると素手で…まぁ、【体術】は攻撃力が低いのがネックでさっきのようなウッドパペットに俺のような初心者装備の奴は一撃で倒すどころか一割も削れずに囲まれて、逆に死に戻りするらしい。
ウッドパペットは確かにこのフィールドでは一番弱いけど、他のエリアのモンスターよりはまだ強い方らしい、とのこと。
アルトの後ろにいたゴローたちも「同意」と言いそうな顔で頷いていた。
そんな事言われてもな…俺の場合は体術だけじゃなくて氣も込めていたから攻撃力は上がっていたからな。
それを知らないからアルトたちもこんなに騒いでいるんだと思うけど、説明して理解してくれるかな?
でも、ずっと黙っていてもアルトがうるさいだけだから理解されようがされまいがいいか。一応教えておこう。
「あー。俺の場合は少し違うんだよ」
「違う?」
「あぁ、俺はあるスキルを持っていてな。それで攻撃する方の手を強化してから攻撃していたんだよ」
そう説明すると案の定アルトたちは頭に❓マークを浮かべていた。そりゃそうなるわな。
「じゃあ、見ていてくれ」
そう言ってから俺はアルトたちから少し離れる。
アルトたちは少し怪訝そうな顔で居たけど俺の方をちゃんと見てくれた。
ある程度アルトたちから離れた俺はまず、氣を込めずに木を殴りつける。
それだけだと、木は少し揺れるだけだった。
やめて、そんないきなりなにしてんだこいつ?見たいな顔して俺を見ないで。ちゃんと説明するから。
だからそんな痛い子を見るような目はやめて。
「さっきは強化せずに木を殴った。今度は強化してから殴ってみる」
そう言って俺は手に氣を込めてから木を殴る。
今度は木が殴った当たりから折れて倒れてしまった。
「分かったか?」
アルトたちの方を見るとさっきと同じように口をぽかんと開けて唖然としていた。
お前ら、その顔するの好きだよな。それ以外のリアクションは無いのか。
「今度はいつ戻ってくるのだろうか」と考えながら待っている間は暇だから【瞑想】と【錬氣】のレベル上げをすることにする。
早く我に帰ってくれることを祈るか。
30分くらいずっと瞑想をしているとやっとアルトたちがこっちの世界に戻ってきた。
いや、ビックリするのは別にいいが我に帰るのが遅すぎだろう。
「おい!ユリウス、さっきのは何だ!?」
「だからあるスキルを使っていると言っただろうが。あと顔近い」
アルトが詰めよってくるが軽く相手をしながらステータスを確認して、【瞑想】が4、【錬氣】が2上がっていた。
【錬氣】のレベルの上がりが悪いな。何でだろうか?
「なぁ、アルト。スキルのレベルの上がりが悪いんだが、どうしてだ?」
「いや、話を変えないでさっきの質問にちゃんと答えてよ!」
「ゴロー、何でだ?」
「俺は無視?」
アルトがまた騒いでいるが少しの間放っておいて、ゴローに聞く。
いきなり話を振られてゴローは少しビックリしていたが、直ぐに戻って俺の質問に答えてくれた。
「お前のスキルはレベルが20を超えているのか?」
「あぁ、2つくらいな」
「だったらそれが原因だろう。スキルレベルは20を超えたら上がりにくくなるんだ」
「それでか。ありがとな」
レベルは20を超えてから上がりにくいのか。まぁ、いいか。使っていけばどんどん上がって行くだろうし、それに多分戦闘での方がよく上がるだろうしな。
でも、【瞑想】は戦闘では上げれないからこれだけは気長に上げて行かないとな。
「いいんだ。どうせ俺なんて…」
そろそろちゃんと相手してやるか、とアルトの方を見ると膝を抱いていじけていた。いや、そんぐらいの事でいじけんなよ。めんどくさいな。
「別に教えてやってもいいが誰にも言わないか?」
「あぁ、言わない」
「なら教えてやる」
声を掛けてやると瞬時に立ち直った。立ち直るの早いな、お前。
「そのスキルは…」
「「「「スキルは?」」」」
いや、何でゴローたちもゴクリと固唾を飲んで聞いてんだよ。そんなに気になることか?
別に良いんだけどな。
「【錬氣】だ」
「「「「は?【錬氣】?」」」」
スキルの名前を教えるアルトたちは素っ頓狂な声を出した。
シンクロばかりして、お前ら仲がいいな。
あと、お前ら。嘘つくなと言いたそうな顔をするな。本当の事だから。信じられないかも知れないけど。
「ユリウス、嘘ついてないか?」
まじで言った。
「嘘じゃないし、お前らが信じないのならそれでも構わない」
俺はこれでこの話は終わりだと言わんばかりに先を歩き始めて気配察知で索敵を始めた。
今度もウッドパペットの20体の団体がいいな。
あ、それと鳴く女とも戦って見たいな。どんな感じで鳴いて、どれくらいの間動けなくなるのか実際に食らってみて確かめて見たいな。
今度一人で来たときに落ち着いて戦えるように。
「待てよ、ユリウス。疑って悪かったって」
アルトが急いで俺の元に来て謝って来た。
「別に気にしてないからいいぞ。謝らなくても」
「そうか」
俺が怒ってないと言うとアルトはホッとしたような顔をした。まぁ、信じられないと言う気持ちは分からなくもないからな。だからそこまで気にしていないし。
「でも、ほんとに【錬氣】なのか?ユリウスはあまり嘘を言うやつじゃないと分かっていてもどうしても少し疑ってしまうんだよな」
「まぁ、その気持ちも分からなくもない。【錬氣】は不遇スキルで使い道がぜんぜん分からないもんな」
「そうなんだよな。だから…な」
「アルト、何度も言わすな。気にしていない」
少し怒気を孕ませながら言うとアルトは「わ、分かっているから怒るなって」と少し慌てていた。誰のせいだと思っている。
それと、ゴローたち。何でさっきの俺みたいに50メートル離れたところを歩いている。
気が散るからもう少し近付くかそれか周りを気にしてくれないか?
じーっと俺の方を見ていないでさ。
軽くため息を吐いてからゴローたちのことは気にしないことにした。
ちょうどいいや。アルトに調合キットはどこにあるか聞いてみよ。
「なぁ、アルト」
「何だ?」
「調合キットってどこにあるか知っているか?」
「うーん…NPCの店に売っていると思うけど、どうしてだ?」
「何でって使うし、俺は生産職になるつもりだからな」
返事が返ってこないことに怪訝に思った俺はアルトの方を見ると固まっていた。
どうしたんだこいつ。と思いながらふとゴローたちの視線も感じなくなったからゴローの方を見るとアルトと同じように固まっていた。
さっきの会話が聞こえていたのだろう。だからって、固まっている理由は分からないが。
原因があるとすれば俺なんだろうが、でも。
俺…そんなに変なこと言ったかな?