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NEW LIFE ONLINE   作者: てんく
32/36

32話

遅くなってすみません

待ち合わせ場所に来ると、白銀色の軽鎧を着たマイが3人の少女と一緒にいて、何やら男性プレイヤーに絡まれていた。

ナンパだろうか?


今、声を掛けたら十中八九俺が絡まれそうだが、気にしないことにして、言い争っているマイに声をかける。

声をかけたことにより、マイは俺に気が付いていて嬉しそうな顔をして、マイたちの前に割り込むと、マイたちに絡んでいたプレイヤーたちは何だこの初心者装備をしたやつは?っ怪訝そうな顔をして俺を見てくる。


「お兄ちゃん、遅いよ」

「あぁ、すまない。…それで、お前たちは何のようだ?パーティーを組む予定でもあったのか?」


マイに謝り、絡んでいたプレイヤーたちにそう聞くとマイに「そんなわけないじゃん」と呆れたような目で見られた。

まぁ、そうだろうな。


「何だ、お前は?邪魔すんなよ」


そう言ってくるのは強面の顔をして大剣を装備して重そうな鎧を着ているプレイヤーだった。


「邪魔すんなと言われてもな。先に約束をしていたのは俺なんだ、悪いが他の奴にしてくれ」

「あ?初心者装備の雑魚がβテスターの俺たちに口答えするな」


へぇ、βテスターだったんだ。マイはこいつの知っているのだろうか?

そう思いながらマイの方を見るが、首を横に振る。どうやら知り合いではないらしい。


「それは悪かったな。だが、それとこれとは関係ないだろう。俺が初心者装備でも約束をしていたのは俺が先なのだから、お前は諦めて他の奴を誘え。それに、嫌がっているだろうが」


そう言うと、口元をヒクヒクさせながら青筋を額に浮かべる強面のプイレイヤー。

沸点低く過ぎないか?


「てめぇ、覚悟しろよ」


そう言って、強面のおっさんは、メニューを開いて、何かを操作をしている。何をしているのだろうか?

そう思っていると、ポーンと俺から電子がなった。

何だろうと思いながらメニューを開いてみると、そこには、


《アダモスからPVP申請が来ています、受けますか?》という文字の下にyes or no の文字があった。

ふむ……取り敢えず俺は、noを選択する。だって、面倒くさいから。


「てめぇ!拒否すんなよ!」

「すまないな。俺には約束があるから、そっちを優先したいんだ」


PVP申請を拒否したことを知ったマイは苦笑して、「面倒くさいだけじゃん」と呟いていた。


「いいから受けろよ!」


そう言って、またアダモスからPVP申請が来るが、拒否しようとするが、


「お兄ちゃん、受けなよ。それで、ボコボコにしてあげたら?」


酷いことを言う妹だな。それに俺が勝つと信じているのだな。

まぁ、申請を面倒だからと理由で拒否をする俺も人のこと言えないか。

それから少し考えて、後腐れのないようにした方がいいかと思い受けることにした。


yesをタッチすると、《申請の受理を確認、これよりフィールドを展開します》と声が聞こえた。

そして、俺とアダモスたちを中心として半径50メートルくらいで結界のような物が張られるのが見えた。


《それでは、それぞれ一人ずつルールを決めてください》


「俺はデスマッチだルールを適用させてもらう」


アダモスはそう言うが、デスマッチルールってなんだ?


「……デスマッチルールというのはどちらかの体力がなくなるまで戦うんだよ。それで、デスペナルティありで、持っているアイテムもロスする」


説明をありがとう。まぁ、俺は何でもいいよ。負けたとしても俺に失うものはないから。

持っているのは俺の作った物とこの初心者装備だけだし。それに、負けるつもりなんて毛頭ない。


「そうだな、俺が勝った場合は勝者の名前を言わないのと、デスペナルティの無効でいいよ」


そう言うと、アダモスたちは驚いた表情を浮かべて、《承りました、それではバトルを始めてください》と声が聞こえた後、カウントダウンが始まり……ゼロになった。


こんな人が大勢居るところで戦っている時点で目立つのは仕方ないとして、名前だけは広められたくない。

それに、アイテムをロスするとか言っていたが欲しいものなんてないからそんなの無効でいい。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




カウントダウンがゼロになった瞬間、アダモスが俺に大剣で切りかかってきた。

そして、アダモスと一緒にいた仲間も同時に攻撃を仕掛けてくる、それぞれ弓と片手剣だった。


って、3対1かよ。まぁ、何の問題はないが。

まず、切りかかってきたアダモスの大剣右手に氣を込めて大剣の腹を裏拳でいなす。剣速はそこまで早くなかった。


いなされて、目を見開いているアダモスの脇腹に手を添えて寸勁をくらわせる。

普通に殴るだけじゃダメージを受けそうにないから、寸勁の方が効率がいい。それに、うちのじいちゃんの教えてくれた寸勁はキツいぞ?


寸勁をくらったアダモスは五メートル近く吹き飛んだ。

体力バーがアダモスの上に付いていて、それが半分近くまで一気に減った。まぁ、流石に一撃じゃ倒せないか。


それに…


ヒュンヒュン


飛来してきた2本の矢を1本は半身になってかわして、もう1本は掴み捕った。

掴んだ矢を素早く弓を放ってきた奴に投げ返すと同時に切りかかってきた片手剣をかわす。

おっ、投げた矢は運よく当たった。まさか、当たるとは思わなかった。

場数を踏んでいるのか、それとも仲間意識が低いのか分からないが、動揺をすることなく俺に攻撃をしてくる。


剣と、ときどき飛んで来る矢をかわしたり掴んで、攻撃するタイミングを探していると、後ろでアダモスが起き上がり、気配を殺しながら近付いてくるのが分かった。

それと同時に目の前の男の口元がつり上がるのが見える。…敵にバレるような反応見せるなよ。

そう呆れながら俺は剣をいなして、革鎧だったということもあり右手に氣を込めながらボディーブローをくらわせてから、後ろから来て、大剣を振り上げてがら空きとなっている胴体に回し蹴りでアダモスを攻撃する。


そして、その一撃でアダモスの体力がゼロになり光の粒子となってアダモスは消えた。

……まさか、2撃で倒せるとは思わなかった。理由はよく分からないがまぁいいか、残り2人だ。


踞っている剣士が起き上がり、少し苦しそうな表情を浮かべたがすぐに顔を引き締め直して俺に切りかかってくる。

しかし、まださっきのダメージを引きずっているのか、剣速が少し鈍っている。まぁ、それが普通か。

…じいちゃんとの模擬戦だったら、「これだけのことで鈍るなんて…地獄の特訓だね」と言ってくるぞ。ニコやかな笑顔を浮かべながら。


と、そんなことを思っていると隙が出来たため俺は寸勁をくらわせて、膝を崩して体勢が低くなってきたところを氣を込めながらアッパーをくらわせる。

そして、その衝撃で体が浮かび上がったところを追撃で寸勁をくらわせて、吹き飛ばす。


仲間を2人倒されたことにより、動揺を隠しきれていない弓使いに素早く距離を詰め、サクッと倒した。

この3人を倒すのに要した時間は5分だった。




《勝者……。》


俺が指定した通り、名前は言われなかった。しかし、やっぱり目立ったようで、戦いを見ていた人たちが俺の方を見て固まってしまっている。

まぁ、マイだけはキラキラと目を輝かせながら俺を見ていたが。

さっさとこの場から離れるとするか。


「マイ、そこの呆けている3人の仲間の正気を戻してこの場から素早く離れるぞ」

「分かった!」


そう元気に返事をして、仲間たちに強めのチョップをして正気に戻していくマイ。

…もう少し優しく戻してやれよ。痛かったのか踞ってしまっているじゃないか。


「痛ったいのです。もう少し手加減してくださいよぉ~」


さっさとあそこから離れた俺たちは愚者の住まう森に来ていて、そう言いながら頭を押さえながら座り込んだのは桃色の髪をサイドテールにして忍者のような黒装束を着た小柄な少女だった。

そして、その子の頭を撫でながら声をかける澄んだ青色をポニーテールにして、白色のローブを身に纏ってる僧侶のような格好をした忍者のような格好をしている少女に少し似ている少女だった。

姉妹なのだろうか?


「お兄ちゃん、やっぱり強かったね」

「うむ、私もビックリしました。天晴れっです」


その2人から少し離れたところで、俺とマイ、そして黒髪を腰の辺りまで伸ばして、快活に笑う侍のような格好をした少女。格好から分かるように使う武器は刀だ。


それからやっと落ち着いたのか、小柄の忍者少女と僧侶がこっちに来て、自己紹介をする。


「えっとお兄ちゃん、右からアイちゃん、ミイちゃん、シイちゃんだよ」

「はじめまして、アイです。斥候をしているのです」

「はじめましてマイちゃんのお兄さん、ミイです。このパーティーの僧侶をしています」

「シイちゃんだ。よろしくなお兄さんや。ちなみに私は遊撃をしている」


アイが忍者の格好をした少女でパーティーの斥候役で、ミイが僧侶の格好をした少女でシイが侍の格好をした少女だ。

じゃあ、俺からも自己紹介しておくか。


「ユリウスだ、マイから聞いていると思うがマイとは兄妹だ」



自己紹介を終えて、愚者の住まう森に来たためスキルのレベル上げをするのだが、その前にマイたちの戦いの様子を見せてほしい。

そうマイにお願いすると、快く快諾してくれた。


そんなわけで、敵を探し始めたがそこで予想外の出来事に遭遇した。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

「……何だ?」

「私から3つほど提案があるのだけど、1に逃げる、2に戦略的撤退、3にランナウェイなんだけど何がいいかな?私としては全部がオススメだよ」

「落ち着けマイ。全部ほぼ同じような意味だからな」


動揺をするのは分かるがな。

そう思いながら、アイたちに目を向けるとプルプルと震えてしまっている。

怖がるのも無理はないか。何故ならあり得ないような事だからな、マイたちにとっては。

さて、こいつはどうなんだろうな。俺の予想通りなら良いのだが。


「GYAOOOOOOOOO」


俺たちは、敵を探しているとここのボスモンスターである駆竜にばったりと出くわした。

まぁ、大丈夫だろう。








久しぶりの戦闘描写がうまく表現出来ていますか?出来ていたら良いのですが。


それと、次回更新は来週の日曜日です。

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