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NEW LIFE ONLINE   作者: てんく
31/36

31話

……日曜日に投稿出来なくて本当にすみません。

こ、これからもよろしくお願いします。

それと、最初は舞彩視点でその後は冬冴視点です。


私たちの目の前でお兄ちゃんが目を閉じて静かに佇んでいる。

昨日のゲームセンターで、お兄ちゃんが武術を習っていることを知った私は人に魅せる為の武術もあると聞き、ダンスを習っていると言うこともあり実際に見てみたいと思った。


だから私は断られるかもと思いながらもお兄ちゃんに見せてほしいとお願いすると、お兄ちゃんはそれを受け入れてくれた。

…まぁ、お兄ちゃんは私の裏の理由も気が付いていて釘を刺されてしまったけど、今は良しとしよう。お兄ちゃんもお母さんからの許可があれば教えてくれると言ってくれたから。


そして今日、一緒の部活に所属している沙希ちゃんと昨日のゲームセンターで知り合い仲良くなった真由香ちゃんと麻佑ちゃんを誘って一緒に見ることになった。


お兄ちゃんが、眼鏡を外してチャイナ服のような物に着替えて私たちの所に来たのはビックリした。

沙希ちゃんたちはお兄ちゃんの眼鏡を外して髪の毛を整えている姿を見るのは初めてなのか、固まってしまっていた。

お兄ちゃんの顔をまともに見るのは初めてなのかな?


まぁ、今はそんなことよりお兄ちゃんの方に集中しよう。そろそろ始まりそうだし。

そんなことを思っていると、


「はっ!」


お兄ちゃんが声を発すると空気がビリビリと震動するのが分かった。

そして、その迫力に他の皆は分からないけど私は鳥肌が立った。

それから先は、ただただ私は圧巻された。私たちが見えるぐらいギリギリの速さや、緩やかな緩急のついた洗練された動きをしていた。

…武術に詳しくないから、技とかはよく分からないけど。



どれくらい時間がたったのかは分からないけど、お兄ちゃんが左足の膝を曲げながら足を上げてから左手を下げて、右手を上げてまた「はっ!」と声を発した。

もう終わりかな?と思ってたら、お兄ちゃんはそこから一回転していつの間にか扇子を右手に持っていた。

それからは扇子も使い、さらに洗練された動きをお兄ちゃんは見せた。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「ふう」


夢玄演舞を終えた俺は一息付いた。

久し振りにやってみたけど、ちゃんと出来ていたのだろうか?それと、舞彩たちの参考にはなったのだろうか?

俺は舞彩たちに聞いてみることにした。


「どうだった?参考になったか?」


そうやって声をかけると、やっと舞彩たちが我に帰ったようだった。

ちゃんと見ていたのだろうか?


「うん、お兄ちゃん。ちょっと凄すぎてよく分からなかったかな。ごめん」


舞彩が申し訳なさそうにしながら、皆の代表をするかのようにそう言うと沙希たちが頷いた。

母さんだけは、「凄く良かったよー」と言っている。ありがとう、母さん。

まぁダンスと違い武術を元にされているから曲もないし、圧倒されてしまったのだろう。たぶんだが。




「服を着替えてくる」と言ってから俺は先にチャイナ服から普通の服に着替えることにした。

舞彩たちは凄すぎて沙希はよく分からなかったと言っていたが、久し振りにやっていた為鈍ってないか心配していたが鈍ってなくて良かったと思った。


着替えながらそう思い、だて眼鏡をかけなおして俺は舞彩たちが待っているであろうリビングに向かう。

舞彩たちがどんな判断をするかは分からないが、俺の教えれることはしっかりと教えていきたいと思っている。


リビングに行くと、舞彩と沙希がソファーに座って真剣な表情を浮かべながらなにかを話し合い、浜口と西條は楽しそうに母さんと話していた。

…母さんたちは今はおいておこう。


「何を話していたのだ?」

「あ、お兄ちゃん。ちょっとね、どうやったらさっきの夢玄演舞をダンスに組み込めるかなって、沙希ちゃんと話していたの」

「はい、そうなんです。冬冴さん、指導のほどをお願いしてもよろしいですか?」


舞彩たちの隣に座り、俺は話し合いに参加する。


「あぁ、教えるのはいいけど今日はもう遅いから帰った方がいいだろう」

「そう…ですね」


そう言って、落ち込んだ表情をする沙希。まぁ、こればっかりは仕方がない。

そう思っていたが、


「沙希ちゃん、これから晩御飯にするけど食べていかないかな?帰りは冬冴が送ってあげて」


母さんがそう言った。

俺が送ることが前提なのか。別に、最初からそのつもりだから良いけどさ。

舞彩は「そうしなよ」と言い、沙希もちょっと考える素振りをする。


「…そうですね。ちょっと母に聞いてみます」


そう言って、携帯で電話をする沙希。そう言えば、浜口と西條はどうするのだろうと思いながら浜口たちの方を見ると、浜口と目が合い親指をグッと立ててきた。

どうやら浜口たちも食べて帰るつもりらしい。ちゃんと親には連絡したのだろうか?


そうしていると、話を終えたのか沙希が戻ってきて、「大丈夫だよ、舞彩ちゃんと、トウくんと仲良く食べなさい。と言われました」とちょっと嬉しそうな表情を浮かべながら言ってきた。

享の母さんと俺は知り合いな為、何故かトウくんと呼ばれていた。まぁ、享の家に遊びに行ったのは数回程度だったが。


母さんが晩御飯の準備を始めて、舞彩と沙希と俺は話し合いをする。

浜口と西條は母さんの手伝いをしている。


「それで、お兄ちゃんはどのタイミングで始めたの?」

「あぁ、今回は静まり返ったのを感じて、誰かがコップを机の上に置いたときに聞こえた物音だな。」

「物音?」

「そうだ。夢玄演舞はダンスと違って曲がないため、自分でタイミングを決めるしかない。ここが夢玄演舞の難しいところでもある」


そう。夢玄演舞には始めるタイミングが難しい。変なタイミングで始めてしまうと見ている人たちを圧倒させることが、夢玄演舞の格好よさを魅せることが出来ない。

そして、他の皆と合わせようと思うならそれは更に難しくなる。


「うーん、難しいね」

「そうですね。でもその分やる意味はあると思います」


舞彩は悩ましそうにそう言い、沙希は舞彩の言葉に同意しながらも微笑みながらそう言った。

舞彩も「確かにそうだね」と微笑みながら沙希に言った。


それから、舞彩と話し合ったりアドバイスをしたりしていると晩御飯が出来たようで、浜口が料理を並べていた。

晩御飯はチーズメンチカツだった。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



晩御飯を食べ終えた後、浜口と西條は帰る準備を始めた為浜口たちに、「送っていくよ」と言って自室に戻り着替えを済ませる。

だが、浜口たちも上がってきて俺の部屋の中に入ってきた。

別に見られて困るようなものは無いから良いけどさ。


「へぇー、ここが笹崎くんの部屋か。キレイというよりあまり物を置いていないんだね」

「まぁな。欲しい物も無いし、あまりごちゃごちゃしているのは好きじゃないからこうなった」


浜口と西條は部屋の中を見渡す。別に変わったものは何もないと思うが。

そう思っていると、浜口がアルバムがないか聞いてきた。アルバムは俺の部屋には無いな。1階の何処かにあるとは思う。そう浜口に伝えると少し残念そうな顔をした。

そんなに見たかったのか、アルバムが。


それから浜口たちは30分位部屋に居座り、俺が送って帰った。

浜口たちを送って初めて知ったのだが、浜口と西條の家は近くで、幼稚園の頃からね幼馴染みらしい。

それで、あんなに仲が良かったのだな。


「笹崎くん、送ってくれてありがとうね、楽しかったよ」

「冬冴くん、ありがとう」

「気にしなくていいよ」


笑顔を浮かべながらお礼を言ってくる浜口たちにそう言って、俺は帰ろうとする。


「また遊ぼうね、笹崎くん」

「そうだな。また暇があったら遊ぶか」


振り返らずにそう言って、浜口たちに見送られながら家に帰った。

家に帰ると、舞彩と沙希が家の外で帰る準備をして待っていた。わざわざ外で待たずに家の中でゆっくりしていれば良かったのに。


「悪いな、待たせたか?」

「ううん、さっき出たばかりだから大丈夫だよ」


謝ると、舞彩がそう言って同意するように沙希が頷く。じゃあ、行くか。

舞彩と一緒に、沙希を家まで送った。その間はずっと夢玄演舞をどうやってアレンジしてダンスにするかを話し合った。まぁ、俺は聞いているだけだったが。



沙希を家まで送り、舞彩と話ながら家に帰る。


「うーん、どうするかなぁ」

「もうあまり時間が無いのだろう?」

「そうでもないよ、後2ヶ月ぐらいはあるけど…でも実際にお兄ちゃんがしているところを見て、足らないような気がするよ」


今がまだ4月であと2ヶ月だと…6月の中頃にするのだろうか。まぁ確かに、2ヶ月じゃ心もとないな。

そう言えば、部員は何人居るのだろうか?


「部員?えーっと、私と沙希ちゃんを入れて10人ぐらいだよ」

「多い方なのか?」

「さぁ?少ないんじゃないかな」


10人か…纏めようと思ったら難しいかも知れないが、頑張れよ。

俺もなるべく分かりやすくするから。


舞彩と話ながら歩くこと数分、家に着いた俺は風呂に入ってから自室に戻り勉強をしてから寝ることにした。

おやすみ。




学校を終えて、家に帰ってきた俺は部屋着に着替えた後、『NEW LIFE ONLINE』にログインする。

ログインをして、少し考えた後チャーリーのアトリエに行くことにした。


ノックをして中に入ると、なんと言うことだろうロドリゲスとレイウスさんが真剣な表情で話し合いをしていた。

今回の運動会のプログラムの話し合いだろうか?どうやら今日はリリーアさんとレイアは一緒に来ていないらしい。


「ロドリゲスにレイウスさん」

「おぉ、ユリウスか。久し振りだな」

「久し振りです。何の話し合いをしていたのですか?」

「あぁ、プログラムに応援合戦は必要かどうかを話し合っていたんだ」


応援合戦?必要なのか、それ。


「何を言う、男女対抗応援合戦は必要だろう」


ロドリゲスが熱の籠った声でそう訴えるが俺としてはどっちでもいいと思う。

まぁ、最終的に決めるのはレイウスさんだろうけど。

当のレイウスさんは考え込んでいる。何をそんなに悩んでいるのだろう?


「やはり女性陣にはチアガールの衣装のがいいのだろうか?」


……知らないよ、そんな事。

結局女性陣の服はそれぞれの私服で男性陣は学ランになった。

何となくだけどロドリゲスは似合いそうだな、学ランが。それに、誰が準備をするのだろうか。


その後もプログラムの話し合いをロドリゲスとレイウスさんがしていたが、このまま居ても邪魔になるし聞かない方がいいだろうと思い、素材を集めるために愚者の住まう森に向かうことにした。


……あぁ、そう言えばまだ初心者装備だな。

買おうにもお金無いし、作ろうにも素材が無いし知り合いに鍛冶職人なんて居ないから作ってもらえない。

当分の間は初心者装備のままだな。困らないから良いけど。


そう思いながら愚者の住まう森に向かって歩いた。

が、その途中でマイからチャットでパーティーを組まないかという誘いが来て、少し考えてからパーティーを組むことにして噴水の前で待ち合わせをすることになった。

待ち合わせ場所に向かうために、今来た道を引き返した。

さて、行くか。





次の更新は日曜日の予定です。


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