表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NEW LIFE ONLINE   作者: てんく
28/36

28話

母さんの手伝いをするため、台所に行くと丁度晩御飯の下ごしらえをしているところだった。

声をかけると、作業をしながらこっちに顔を向ける。


「うーん、それなら私はハンバーグを焼いているから、ポテトサラダを作ってくれないかな?」


そう言ってくる母さんに俺は頷いて、ハンバーグを焼いている母さんの横で、ポテトサラダを作ることにする。

茹で玉子は母さんがあらかじめ準備をしていた為、俺はジャガイモの皮をピーラーで4個ほど剥いて、お湯で少し茹でる。


「あ、冬冴。ジャガイモは茹でる前に塩を入れたらいいよ。量は少し多めくらいで」

「へぇー、そうなんだ」


母さんに言われた通り、俺は茹でる前の水に塩を少し多目に入れて、それからジャガイモを茹で始める。

少しして、茹で上がったらジャガイモを取り出して湯切りをしてジャガイモを潰し、それから冷ます。

ジャガイモを冷ましている間にキュウリとニンジンとタマネギを薄くスライスする感じで切り、その後茹で卵の殻を剥いて、4等分する。


ジャガイモが冷めたのを確認してから全部一緒にして、マヨネーズを加えて混ぜる。

ある程度混ぜたら、コショウで味を調節していき味見を母さんにしてもらう。


「うん、美味しいよ」


そう言って母さんは笑顔を浮かべる。それは良かった。

そうしているとハンバーグも出来上がって、母さんが母さん特製ソースをハンバーグにかけて皿に盛り付ける。

その後、ハンバーグが盛り付けられている同じ皿にポテトサラダを盛り付ける。


ハンバーグを3人分焼き終えた母さんは次にみそ汁を作る。俺はその間に、ご飯をついでから机の上に並べていく。

そうしていると、舞彩もシャワーを浴びてさっぱりして出てきていた。




その後、母さんもみそ汁を作り終えて、皆が席に着いたのを確認してから食べ始める。


それから食べ終えて、食器を洗いに持っていきお茶を飲んで一息つく。

舞彩は、ゲームをするためにもう自分の部屋に戻っている。さて、そろそろ俺も部屋に戻るか。


「部屋に戻る」と母さんに言って自室に入り、ヘッドギアを着けてベッドに寝転がる。

次の瞬間、俺の意識が暗転して『NEW LIFE ONLINE』にログインをする。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




いつものように、ユウフスベルの噴水の前に来た俺は、そのまま生産工房に向かう。

工房に着いた俺は中に入ると、やはりリンダさんが居た。

…本当にここには、リンダさんしか受付の人は居ないのだろうか?


そう思いながら、リンダさんに手続きをしてもらう。


「こんにちは、リンダさん」

「こんにちは、ユリウス。今日は何時間のご予定ですか?」

「2時間でお願いします」

「かしこまりました。200Lになります」


リンダさんに200L支払ってから、俺は聞いてみることにした。


「いつも、リンダさんしか見掛けないのですが、ここにはリンダさんしか居ないのですか?」

「いえ、そんな事はありませんよ。たまたまユリウスさんが私のシフトの時に来ているんです」


「ご気遣いありがとうごさいます」と言ってニッコリと微笑んだ。

それなら良かった。鍵を受け取って、いつもの言葉を聞きながら俺は前と同じ『302号室』に向かう。


「それではユリウスさん、良い生産を」



部屋に着いた俺はさっそく中に入り、ハイポーションの製作を自分が書いたレシピを見ながら始める。

2回ほど失敗をしたが3個ほどハイポーションを作ることが出来た。


その後はポーションを2個ほど作ってから、その後はもう少しポーションの効果を上げられないか試行錯誤する。

まず、前は薬草をすり潰して煎じたが今度は潰さずに、細かく切り刻んで水でざっと薬草を洗ってから煎じて見ることにした。


〈ポーション〉

すり潰さずに切り刻んでから煎じて作られたポーション。苦味があり、効果は少し上がっている。

体力を30回復する。



お、少しだけ効果が上がったな。何が良かったのだろうか?スキルレベルが上がったからだろうか?

まぁ、いいか。他の方法も試してみようか。


その後も時間いっぱい俺は、ポーションの効果をあげることに専念した。

それから終了時刻を向かえて、結果的には35ぐらいまでは上げれた。

試した事と結果をブックに書き写してから、俺は工房を出てからロドリゲスにハイポーションとポーションを納品することにする。



ロドリゲスたちがいるチャーリーのアトリエの前まで来た俺は、ドアをノックしてチャロットの返事が聞こえた為、中に入ると、


「私の方が引き締まっていますよ!」

「いいや、俺だ!」


ロドリゲスと国王であるレイウスさんがチャロットとリリーアさん、そしてリリーアさんの後ろに隠れているレイアの前で上半身裸で筋肉をチャロットたちに見せびらかすようにポーズを取っていた。


「すみません間違えました、失礼します」

「お兄ちゃん、行かないでぇ!」


誰よりも早く、俺に気が付いたレイアが俺を逃がさないと言わないばかりに抱きついて、引き止める。

レイアに引き止められて、俺はここから出ることをやめてレイアにどういう経緯でああなったのか聞く。


「最初は、ロドリゲスさんがここにお兄ちゃんが来るかも知れないと言っていたから待つ間に色んなことを話していたんだけど、だんだん話が変な方向にいって、最終的には何故かお父さんとロドリゲスさんのどっちの方が引き締まっているのかって競い合うようになって…」


「お母さんもお姉ちゃんも誰も止めないし…」そう言って、俺の服に顔をうずくめるレイア。

よっぽど怖かったのだな。まぁ、当然か。


「ロドリゲスにレイウスさん、それくらいにしてくれないか。レイアが怖がっているだろ。それにチャロットさんとリリーアさんもロドリゲスたちをやめさしてくれよ」

「ごめんなさいね、ユリウスさん」

「いや、俺は謝ってほしくて言ったわけではないのだが…」


しゅんと落ち込んだ表情を浮かべながら俺に謝ってくる、リリーアさん。


「とにかく、やるなら別の日に別の所でやって」


そうロドリゲスたちに言った。それに対してロドリゲスたちは、服を着ずに裸のままで頷く。

いや、まず服を来てくれよ。


それからロドリゲスたちが服を着るのを確認してからレイウスさんたちに用件を聞く。

何かあるのだろうか?


「あぁ、前に言っていた運動大会の詳しい日程が決まってな。今から5日後に開催する予定だ」


五日後…か。予定もないし、参加出来そうだな。俺は参加出来ることをレイウスさんに伝える。

すると、レイウスさんたちが嬉しそうな表情を浮かべた。


「そうか、それは良かった。あ、それとユリウス。出来るなら、前の人たち…ナーシャちゃんとニーニャさんも呼べないか?」

「ナーシャたちが参加するかどうかは分からないが、一応声はかけてみるつもりだ」

「ありがとう」


お礼を言ってくるレイウスさんに俺は最初からそのつもりだったため、「気にしないでください」と言った。

それから、レイウスさんからの用件はそれだけだったらしく、少しだけ話をしてリリーアさんとレイアと一緒に帰って行った。


レイウスさんたちを見送った後、俺はロドリゲスにハイポーションを5個とポーションを10個渡す。

ロドリゲスはクエストを出したことを忘れているのか、不思議そうに首をかしげる。


「お前に言われていたハイポーション5個とポーション10個だよ」

「あぁ、思い出した。そう言えばしていたな。確か達成できたら中級調合キッドを渡すんだったよな」


それからロドリゲスは「ちょっと待っていてくれ」と言って店の奥へと行き、少ししてからチャロットと一緒に戻って来た。


「チャロットに品質等を調べてもらった所、文句なしの合格だ」


それなら良かった。俺はひと安心する。


ピコン


そんな電子が聞こえてきたが、何となく予想はついているが、一応確認をする。

もしかしたら違うかもしれないし。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クエスト

〈俺の課題をクリアしてみな〉


クエスト達成!

報酬を依頼者から受け取ってください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺の予想通り、クエスト達成のメールだった。

メニュー画面を閉じてから、中級調合キッドをロドリゲスから受け取る。

…なんとか、クエストを達成出来て良かった。


その後、ロドリゲスたちと談笑をしてから明日も学校があるためログアウトをすることにして、チャーリーのアトリエからロドリゲスたちに見送られながら出ていき、ログアウトをした。





作者自身があまり料理をやったことないのに、料理をしている所の描写を書いているが、もしかしたら変な所があるかもしれません。


それと予定通り、次の更新は明日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ