七変化。
私は忍者である。主に変化の術を得意としている。私の実家は代々変化の術の奥義を受け継ぐ家系である。先日も殿様の前で秘伝の術を披露してきた。変化の術と言ってもいろいろある。動物に変化する術……人に変化する術……植物に、はたまた建物に。その中でも私が最も得意としているのは人に変化する術である。読者諸君はあまり信じておられない様子なので実際に変化してみせよう。
変化!
(バーン。効果音付きである。)
どう?みたぁ?これが変化の術よぉ?んー?文体がおかしいってぇ?変化するときはその人の気持ちになれっていう基本があるのよー。キ・ホ・ン。今ワタシがどんな姿なのか気になるぅー?そ・れ・は……ヒ・ミ・ツ♡
えー?まだどんな変化があるのかみたいってぇー?ショウガナイワネー
変化!
(バーン。効果音付きなのよぉ。)
おう。これが変化の術第二弾だ。あんまりジロジロ見るなよ。斬りたくなるからな。あ?さっきまでとまるで様子が違うだと?しょーがねえだろ。これがこの術の特徴だ。分かったらその視線を外せ。……そう、それでいいんだ。
ジロリ(睨みつける。)
あ?見るなって言ってんだろ。あ?そんなに見られるのが嫌だったら変化しろだと?斬るぞテメェ!
……ショーガネェ
変化!
(バーン。効果音付きだ。)
はい……私が変化の術第三弾です……すいません……私みたいなやつがあなた様のようなお方に術をお見せしてしまって……でも、これが……これが紛れもない第三弾なんですよ……本当にすいません……
え?……うざいから変化しろですって……?あ……すいません。分かりました……ショーガナイデスネ
え!?い……いや何にも言ってません……申し訳ありません……
変化!
(バーン。効果音付きなんです……本当にすいません。)
オゥーイェー!このオイラが変化の術第四弾デスゼェー!ホラホラァ!読者の皆様方ァ!もっとじっくり見てくだせ―よォ!そのワンダホーな瞳で、じっくりオイラのこと見てくだせ―よォォ!何だって?ウルサイ!?オイラのどこがウルセェってんだー!読者のみんなー!うるさくないよなァー!なァー!
え?うるさい!?オイラのどこが……どこが……クッソーォショーガネェ!!変化してやるよォ!
変化!
(バーン。効果音付きだぜェー!)
ハーイ。私が変化の術第五弾ですよー。え?今までと違って随分普通だって?いやほらあれですよ、尖ってるキャラたちの中に普通な奴がいたらそれだけで十分キャラ立ってるじゃないですかー?私は普通が一番なんです!で、読者の皆さんは今まで誰が一番お好みですか?もちろん私ですよねー?一番普通なんですから!え?普通すぎて飽きた?分かりましたよ……尖ってるほうがお好みなんですね……ショーガナイデスネー
変化!
(バーン。効果音付きなんです。)
へい。オラが変化の術第六弾だべ。オラは田舎から出てきたばかりだから優すくしてけろ……え……?結局は一人なんだろって?それは言うんでねぇべ。禁句ってやつだべ。オラの田舎はイモさ作ってなー。それはもうご近所さんの間では大人気なんだべ!ほら、読者様も食うべ?え?収穫すたばかりのイモなんていらねぇ……?調理もすてねえ、なんにもついてねえ、生のイモなのにか?硬すぎて食えねえ↑だって?すまねえ……すまねえ……オラが自分勝手にイモさ出すちまって……そろそろ変化すてほしいって……?シカタネェベ……
変化!
(バーン。効果音付きなんだべ。)
うぬ。俺様が変化の術第七弾だ。俺様に文句を言うやつは何人足りとも許さん。今なんと申した?今までと雰囲気が違うだと?ふはははは!それはしかたのないことだ!俺様が出てきたのだからなぁ!
俺様が出てきた以上は、天下を取らねば帰れぬ!読者ども!天下を取ってくるまでまっておれぇ!
(どこかに行った。)
<終了>
実験作第二弾です。