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終詩

終詩:求めていたもの

私は何を求めているのか

分からない

湧いてくる衝動に従いながらも

善悪を判断しつつ

必要ならあえて破る

それを繰り返してきた


手にしたと思えば

手から離れてゆく


自分が求めていたものが

触れてみると違っていた


私が求めているものは

どこにあるのだろう


必死に駆け抜けても

先にあるのはなんなのか


成功という賞賛か

失敗という貶めか


分からない

だけど駆けていく


あえて問う

その先にあるのは

なんだろうか


両腕を伸ばして

太陽を望みながら

大地よりも深い

深海へと身体は

堕ちていく


深く深く

沈んでいく身体

どこまでも

ただひたすらに

底なる地面に

重力に引かれながら堕ちていく


私が求めていたのは

太陽なのだろうか

沈んでいきながら

私は考えていた


「貴方が求めているのは何」

「何を求めているのか分からない」

「貴方は後ろを振り向いたことはあるのか」

「後ろを振り向いたことは一度もない」

「なら後ろを振り向いてみるといい」

「そうすれば求めていたものが分かるのか」

「それは分からないけれど

やらなければ永遠に分からないまま」

「分からないままは嫌だ

後ろを振り向いてみよう」

私は誰かの声に従い

後ろを振り向いてみた


後ろを振り向くと

一人の女性がいた

「貴方は頑張ってきたね

疲れたでしょ?

少し休んで頑張っていこうか」


女性の言葉が

空っぽの器を

私が求めていたものを

満たしていく


私は理解した

求めていたものが

なんなのかを


私はただ

自分を認めて欲しかった

だけだったんだ


理解した瞬間

心地良い眠気が

私の身体を包んでいく


眠気に抗うことをせず

眠気に従うように

意識を睡魔に委ねた


《終》

作者が過去に書いた詩です。

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