第四詩
第四詩:天秤
闇に浮かんでいるのは
黄金の天秤
黄金の受け皿が傾いているのは
右側の受け皿
賢者は謳う
「天秤が表しているのは
人の行くべき場所
左に傾けば生が
右に傾けば死が
君の行くべき場所を指している
天秤の決定は真実
ゆえに抗わずに行きなさい
それが君の行くべき場所なのだから」
残酷な決定を賢者に謳われる
抗おうと左に向かうも
足が動かない
前へと進めない
仕方なく右に向けたら
足が動いていく
前へと進んでいく
遠くから聴こえてくるのは
不気味だが心地の良い笛の音
遠くから視えてきたのは
踊るように練り歩いてくる
多数の老若男女で形成された
一つのパレード
先頭にいる銀色の笛で
先ほどの音色を
奏でていた男が訊いてきた
「やぁ、残酷な天秤に死を選ばされた者よ
このパレードは君と同じように
天秤に死を選ばされた者たちさ
一人で死の道を彷徨えるより
我らと共に彷徨えよう
さぁ、君にその判断を任せよう」
男の提案
孤独でいるか
集団でいるか
違いはただそれだけ
どちらでも構わないなら
彼らのいる方へ選ぼう
共に死を選ばされた者同士なのだから――
end
サウンドホライズンの4ndStoryAlbumの「楽園パレード」と、5ndStoryAlbumの「朝と夜の物語」を参考にしました。