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バスルームの蛞蝓

水を弾く壁面にへばりつくその姿を認めて一人きりじゃなかったんだなんて安売りのシャンプーが頭を軽くしてくれた後で湯船につかりながら乾かない髪をたらして阿呆みたいに指の肌と見比べたりしちゃって本当、我に返るのが遅かった。不用心な窓から帰らせようにも言うことを聞いてくれるお客じゃないし気味が悪くて触れないし他の部屋まで行かれたら困るし結局、今このバスルームでなんとかしなくちゃならない。そもそも塩を持って入ってればとか後悔してる暇なんかないのに、ああ。天井を掃除するのは久しぶりかな。

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