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サンドイッチ構造
木陰の滑り台の錆び具合が
ビビットカラーで塗りこめられて
もう公園では転べない
「地面にぶつかった弾みで
プラスチックのおもちゃみたいに
分解しそうで
「コンビニ袋のふりこを止めて
黒猫のようにしのび
そっと気配を置いていくと
「おじぎを返した白猫の
夢みたいな存在が
コンクリートの階段に居座る
「長い下り坂で
サンドイッチを回転させたのは
滑り台からの風で」
ジャンプしなくたって
くりかえし空を落ちて
爪先だけで着地する」
ちょうちょ結びがほどけたら
かがんで待ってよく聞いて
革靴のリズムに混じっていく」
カフェインを入れておけば
世界はうまく回るって
そんな構造」
片手で昼食をかじりながら
扉一枚はさんだ会話を
レシートの裏に書き留める