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蕃茄
太陽
照りつける
大通りを
大嫌いが
連なって
陽炎
地図を調べず
角を曲がり
七日の命が
音になって
飛び交う
遊歩道へ
行く先を知らず
下ろす足は
歩くたび
はみ出し
土にまみれ
木肌にまぎれた
焼け色の
抜殻を横目に
ひとり
喉の渇きを
覚える
やむなく
折れた
小路で
出合う
向日葵と
うなだれ
塀から
熟れ
落ちた
蕃茄を踏み
くずれた実と
一度の
痕跡
ぬるい
爪先に
種子が
はりつく