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六月のプール
雨雲は
すごいスピードで走ってきて
言葉を降らせていた
私の空で小休止
汗も涙もなにもかも
一緒になって落ちてくると
私のハンカチでは受け止めきれなくて
零れた分が
足もとに溜っていく
遅れてきた時間は戸惑って
解決もしないのに
私と言葉をふやかす
だんだん私は浮かびあがって
手当たり次第に
ふやけた言葉を掴むけれど
六月のプールは溢れるためにあって
乾いた場所は見つからない
バタ足するたび水が跳ねて
渦巻きを作りながら私は
夏の中へ
クロールで近づく