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第5話 最初の試験?

 次の日。今日は晴れていた。6月には珍しい快晴だった。ただ、むしむししていて暑い。

 この天気だ。校庭で運動なんてあったら熱中症になってしまう。俺は少し心配した。

 今日からあのプログラムが始まる。北野が付き添いって、どうするんだ?

俺の不安は治まらなかった。


 教室に入ると、他クラスのはずの北野がいた。


「いきましょう」


 彼女は教室にいる他の同級生の目を気にすることなく堂々と手と手を繋いだ。握っている手がまるで恋人を意味しているようだった。そして俺達は教室を出た。


 場所は校庭だった。ここで何が始まるのか? 俺はドキドキしていた。

 彼女は体育の時間で使う鉢巻きをポケットから取り出した。


 !?


もしかして俺を軽く拘束するのか。


 そんな心配をしていると、北野は俺に近づいた。 


怖い! 目が怖い。


そして足首同士が触れた。


え! 何、密着で何をおお!


と、心の中で叫んでいると北野は自分の足首と俺の足首を鉢巻きで結んだ。


「……この鉢巻きで、あなたと私の足を結ぶわ。そして、あそこまで二人三脚で走ってもらう。それが、最初の試験よ。ちゃんと息が合うか、ね」


 は?


 俺は何を言われているのか理解が出来なかった。


※※※


「ちょっと、ちょっと」


 俺はパニックになっていた。

 それはそうだろう。何の説明も無しに二人三脚を始めるとか、どうかしている。


「説明してよ。何でこんなことするのか」


 俺は素直な疑問を北野にぶつけた。


「試したかったの」


 え?

 俺はよく分からなかった。


「あなたが本当に、プログラムを受け入れる気があるのかを」


彼女は少し焦っているようだった。それは何でか分からないが。


「これはプログラムの内容に入っていないの」


彼女が真剣に言った。俺の目に訴えかけるように。


「いい? プログラムを受けたからと言って必ずしも更生できるとは言えないの」


 はぁ?


 俺は怒りが湧いた。


「それじゃあ、受ける意味が無いじゃないか」


 俺は全く無駄なことをさせられようとしていて、高校生活を奪われようとしている。


「でもそうはいかないの。これは規則。それに逆らうことは出来ない。だから・・・・・・」


 俺は北野の目をじっと見た。すると彼女は言った。


「せめて相性が合うのかこの目で確認したかったの」


「・・・・・・」


俺は黙り込んだ。


バカだこの子……。でも、どこか本気すぎて笑えなかった。

真面目って、こういうのを言うんだろうか。


「いいわ、これは止めましょう。なんとなくウマが合いそうね。」


彼女はそう言って足首の鉢巻きを解いた。


「放課後に、風紀委員室で待っているわ」


北野がそう言った。

 すると、ホームルームを知らせるチャイムが校内に流れた。


風紀委員室?

なんだその部屋。俺はその特別さが気になった。

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