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第4話　特別更生プログラム

　北野咲は、俺に何かを伝えようとしている。

その目は、ただの注意では終わらないようだった。

……一体、何なんだ？　俺は、彼女の意図を探ろうとした。

「あのイエローカードをもっているかしら？」

北野は俺にそう言った。

「え？　あるけど」

一瞬、どういうことかと思った。

俺は疑念を持ちながらもポケットからカードを取り出し彼女に差し出した。

「その様子だとカードの裏には気づいていないようね」

　え？　裏に何か書いてあるのか？

　俺はカードをひっくり返してみた。するとそこには細かい字で特別事項なるものが書かれていた。

　特別事項:

　このカードを受け取った生徒(あなた)は、翌々日の放課後から三ヶ月間、風紀委員の付き添いによる『風紀委員室特別更生プログラム』を受けること。付き添いの担当者が決まり次第、その者があなたに声をかける。

「こんなのが、あったの？」

俺は開いた口が塞がらなかった。じっと見ていると北野は言った。

「あなたの【付き添い】を私がすることになったの」

　北野が言って俺は顔を上げた。彼女は真剣な目で俺を見つめていた。

……北野咲は、俺を更生させるつもりだった。その目は、本気だ。

プログラム開始は明日の放課後だ。

しかしその前に、北野はある行動に出るのだった。