表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『脆い絆』  作者: 設楽理沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/117

36 ◇なんだ、そんなことですか

36 ◇なんだ、そんなことですか


「珠代、折角の和彦くんの好意は有難いとは思うが、私は賛成しかねる」


「珠代ちゃん、お母さんもちょっとね、喜べないわ」



珠代は想定外のことに非常に困惑した。

あんなに嫁に行け、行けと縁談を勧めていたくせに、なんなの。


だいたい、本人がその気になっている縁談を賛成できないと止めて

くるなんて。


涙目になっている珠代の代わりに兄の涼が両親に詰め寄る。


「父さんも母さんもおかしいですよ。


あんなに珠代に縁談を持ち掛けて家から嫁に出すことに積極的だったのに、

本人も好いている和彦くんからの求婚を反対するなんて。


何かちゃんとした理由でもあるのですか。


彼は性格もよいし真面目だし何より小さい頃から珠代のことを見ている人間で

す。


どこの誰とも分からない、珠代のことだってこれから知っていくという

ような男よりもずっと安心してまかせられるじゃあありませんか」




「和彦くんの人間性云々というより、経済的な問題だな。


このことはおおっぴらには言えんが、たまたま昨年の暮れだったかに懇意に

している銀行員に聞いた話では、稲岡商店はかなり危ないらしい。


そんな傾きかかっている家に嫁がせることは不憫でできんよ。


愛情だけではどうにもならないことがあるんだよ。

お金のことで必ず諍いできる。


すぐに出戻って来る姿が想像できるような家に娘を嫁がせるわけには

いかんよ」




「なんだ、そんなことですか。

もっと深刻な事情でもあるのかと思いましたよ。


それなら実に簡単に解決できますから、ぜひっ珠代を和彦くんの元に

送り出してやってください」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ