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『脆い絆』  作者: 設楽理沙


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30 ◇愛などない

30 ◇愛などない



あなたは私のことなど愛してなかった。

だから、今も私に愛などない。


そして私も今、あなたを愛してない。

お互い、夫婦として必要な愛がもうどこにもないの。


           

今は、寂しいだけじゃないのかな。


またどなたかとお見合いでもして出直せばいいんじゃないかしら。


まぁ、デカいコブ付じゃ難しいかもしれないけどしようがないわよね。

コブのほうが私のこと毛嫌いしてるんじゃ、私のほうでは引き取れないし」



「最後に、今更だけど……哲司さん、私はあなたと結婚した日のことを

はっきりと覚えてるわ。幸せで最高にうれしかったことをね。


新婚時代もそのあとも、あなたの心変わりを知るまでは

あなたのことを信じ頼りにしていて幸せだった。


そして愛していた。


だけど凛子との情事を知った日に、私の中で全てがひっくり返り、そして追い打ちを

かけるように家を追い出され、私はそれらの全てを失くしたの」



「あ……ごめん。今更、つまんないことを言い出してごめん。

罵倒されても仕方がないのに、面会してくれてありがとう。帰るよ」


「ええ、気をつけてね」



 哲司が別れを告げて部屋から出て行き、部屋に取り残された

温子は、ぼそっと呟いた。



「それでも、家を出た日、あなたがあとから追いかけて来てくれることを

待ってたのよ、知らないでしょ。ふふっ。さよなら」



家を独りで出た日に、哲司が追いかけて来てくれていたら

自分はきっと許したかもしれない。


だけど、今更だった。

自分たちはもう、あの日には戻れないのだ。

 




―――― シナリオ風 ―――― おまけ ―――――――


〇応接室


温子「あなたは私のことなど愛していなかった。

      今も、私には愛なんてない。

そして私も、今あなたを愛していないの。

今はただ……寂しいだけじゃないのかしら。


またどなたかとお見合いでもしてやり直せばいいと思うわ。

大きな“コブ”付きじゃ難しいでしょうけど。

あの子が私のこと毛嫌いしてるんじゃ、私のほうでは引き取れないし」


温子ゆっくりと


「でもね、哲司さん。

結婚した日のこと、私は今でもはっきり覚えてる。

幸せで、最高に嬉しかった。

新婚時代もそのあとも……

あなたの心変わりを知るまでは、信じてた。愛していた」


「でも、凛子とのことを知った日。

そして家を追い出された日。

私の中のすべてが、崩れたの」


哲司うつむきながら


「……ごめん。今更、つまらないことを言い出してごめん。

罵倒されても仕方ないのに……会ってくれてありがとう。帰るよ」


温子(淡く微笑んで)


「ええ、気をつけて」


(哲司が部屋を出て行く)



温子(心の声)


「それでも……あの日、家を出たあとであなたが追いかけてきてくれたなら……私は、

きっと許してたかもしれない」


「でも……もう遅いのよ。さよなら」


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