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『脆い絆』  作者: 設楽理沙


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16◇小桜哲司

16◇小桜哲司




妻の温子の妹である凛子と、誘惑に負けねんごろになってしまった哲司が、

予定外に帰宅した妻にふたりが『むつみごと』に励んでいるところを見つかり、

どのようにして謝ればいいのかと家族会議の席に付いた時のこと。


何がどうなって、そうなるのかと驚くような展開になり

哲司はパニックに陥った。


よもや、被害者である妻が家を出て行くことになろうとは思いもしなかった。


義両親、妹、そして自分と出揃ったところで、義両親や妻に

いつ謝罪しようかと時を伺っていた。


それなのに、部屋の外でこっそり聞いていたであろう娘が部屋に入って来たかと

思うと、出て行くのは叔母の凛子ではなく、自分の母親である温子のほうだと

言い出し、驚きを隠せないかった。


それだけでも度肝を抜かれアタフタしていたのに、義両親が揃いも揃って

娘の意見に同調するではないか。


そう、彼らは妹擁護に走ったのである。


娘だけでなく、義両親までもが妹の凛子擁護に走ったものだから

自分は温子へ謝罪する機会を逸してしまった。



彼らの戯言を聞き、各々の顔を不思議なモノでも見るような顔で見ていた温子が、

最後に視線を向けてきたのは自分だった。


思えばあれが最後の妻の元へ帰れるチャンスだった。


自分が謝罪をし妻とこれからも夫婦でい続けたいと告げていたら運命は

大きく違っていただろうか。


あの時、俺は妻の視線に耐えきれなくなり無言で俯いてしまった。


周囲は妻も含めて俺の意志を、妻に出ていけと発言した者たちと

同意と捉えたに違いなかった。



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