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『脆い絆』  作者: 設楽理沙


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11 ◇頼りにしてます~   

11 ◇頼りにしてます~   



珠代さんったら、ほんとにもうもう何て頼もしい女性(ひと)なの。


私は彼女の言葉に胸をキュンキュンさせた。


そこっ、そこそこ、大事なツボを押してもらったようで私は小さな幸せを感じた。


「ありがとう。珠代さん頼りにしてます~」


 珠代さんが調べてくれて、仕事納めまでに工場の持っている寮に

入れてもらえることになった。


聞くところによると、女工さんたちと同列なので格安で住めることになった。


住む家だけが心配だったので、この先の不安はあるもののほっとした。

もし、自分が家事手伝いの主婦だったならと思うと、ぞっとする。


それにしても実の肉親から家を追い出される人間もそうそうは

いないだろうけれど。


翌日が土曜日で、温子は土曜と日曜の二日間で自分の荷物を寮に移し

月曜からは、新しい我が家から出勤できることになった。



珠代さんと社長の北山涼(きたやまりょう)さんのお陰で。


ふたりが工場の力があって気前の良い工員に声掛けしてくれ、4人が

リヤカー持参で引っ越しを手伝ってくれたのだ。


ひとりじゃあ、持って出たくても持って出られなかった箪笥なども

運べて、皆の協力と思いやりが身にしみて涙がでるほど嬉しかった。


最後の日に私は工員の人たちに、日当分お金を包み渡した。


彼らは、そんなつもりじゃないからと遠慮したけれど、またお世話に

なることがある時に、頼めなくなるからと受け取ってもらった。



社長と珠代さんには、その日はお礼だけを述べ翌日夕飯にご招待をして、

ジャガイモたっぷりのライスカレーをご馳走した。


珠代さんのご主人の分も、お裾分けで持って帰ってもらった。



自分より遥かに稼ぎのいい人たちにお金を包むのはなんだか気が引けて

私はその日を境に、月に一度はふたりを招いて手料理を振舞うことに

決めた。



それと、おはぎを作った時には、差し入れもさせてもらった。


珠代さんとは前々から割合親しくさせてもらっていたけれど、ますます

彼女とは親しくなり、あまり接点のなかった社長の涼さんとも少しずつ

親しくなっていった。


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