表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『脆い絆』  作者: 設楽理沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/117

10 ◇安心して大船に乗ったつもりで

10 ◇安心して大船に乗ったつもりで



出て行けと言われた翌日から週末までの3日間、私は家でも職場でも

暗い気持ちで過ごした。



そんな状況の中金曜の昼食時、工場の社長北山涼(きたやまりょう)さんの

妹である珠代さんから気遣いの言葉を掛けられた。




「温子さん、珍しいわね。

いつも元気溌剌の温子さんが元気ないなんて」


「私っていつもそんなに元気かな……」


「何かあったの?」


私は家のことで悩んでいたのに、すっかりそのことを失念していたことに

彼女に声掛けされたことで思い出した。



「そうだ、珠代さん、工場の寮ってまだ空きってあるのかしら?」


「えっと、どうだったかしら。調べておくわね」


「申し訳ないんですけど、急いでるの」


「それって、どなたが探しているの?」


『えっ』一瞬怯んだけれど今話を濁して隠していても入る時に分かること

だし、口の固い珠代さんが相手なのだからと今までの経緯を簡単に掻い摘んで話をした。


「妹さんが嫁ぎ先から帰って来たという話は聞いていたけれど……

そんなことになっていただなんて流石の温子さんだって凹むわよね。

温子さん、私、すぐに調べてあげる。

んでね、空きがなかったら誰かひとり追い出すか、どこかで住める

部屋探すから、安心して大船に乗ったつもりでいて。


2~3日で出て行かなくちゃいけないなんて、他人様の親を悪く言いたくないけど

お給金の大半を入れてきた娘に言うことじゃないと思うわ。


温子さんのお母さんたちは毎月のお金がもう入ってこないこと、気付いて

いるのかしら?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ